公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問18

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

E. T. Gendlinは、問題や状況についての、まだはっきりしない意味を含む、「からだ」で体験される感じに注目し、それを象徴化することが心理療法における変化の中核的プロセスだとした。この「からだ」で体験される感じを表す用語を1つ選べ。
  • コンテーナー
  • ドリームボディ
  • フェルトセンス
  • フォーカシング
  • センサリー・アウェアネス

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解:3】

ジェンドリンはカール・ロジャーズの共同研究者で、「フォーカシング」という心理療法の創始者です。

フォーカシングでは、漠然とした言葉にできない感情が身体感覚として体験されると考え、この身体感覚を「フェルトセンス」と呼びます。

そして、クライアントがこのフェルトセンスに気づき、その理解を深め、言葉などで表現できるようになれば、滞っていた感情の流れが自己を成長させる方向に流れていくと考え、これを「フェルトシフト」と呼びます。

1:コンテーナーは、クライン派のビオンが提唱した概念で、元々は乳児の情緒やパーソナリティなどを育てるために、母親が担う役割を指す用語です。

2:ドリームボディは、プロセス指向心理学のミンデルが提唱した概念で、人間の深層において、夢と身体症状を結びつけている高次の存在のことです。

3:正解です。

4:フォーカシングは、ジェンドリンが考案した心理療法を指します。

5:センサリーアウェアネスは、セルヴァーが開発した体験的実習法のことです。

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02

正解は3です。

1.→コンテーナーとは、精神分析の対象関係論の中でBionが述べた、「乳児の苦痛を包み込み(コンテインし)、不安の意味を理解し、乳児に耐えられる形に修正して、それを子どもに戻していく母親の機能」のことを言います。よって、1は誤りです。

2.→プロセス志向心理学の創始者ミンデルが、「ドリームボディ」とは、「個人的体験・身体感覚・ファンタジーからなるトータルな人格であり、夢と身体に同時に現れる知覚変化のプロセス」と述べています。よって、2は誤りです。

3.→フェルトセンスとは、E. T. Gendlin が唱えた、漠然とからだで感じる、まだ言葉やイメージになる前の意味のある感覚のことで、フォーカシングの中核概念になります。よって、3が正しいです。

4.フォーカシングとは、E. T. Gendlin が唱えた心理療法のことを言います。フォーカシングの目的は、フェルト・シフト(クライエント自身がフェルト・センスに気づき、その理解を深め、言葉などによって表現することが可能となった時に、滞っていた感情の流れが自己を成長させる方向に流れていく)に至る過程を援助することです。フォーカシングはその心理療法そのものの名称であるため、4は誤りです。

5.→センサリー・アウェアネスとは、20世紀初めにドイツのギンドラーが創始し、その弟子であるセルバーがアメリカに渡って名付けた手法です。センサリー・アウェアネスは、「ただ、今ここにいる自分を感じる」という非常にシンプルなワークです。よって、5は誤りです。

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03

正解は3です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→コンテーナーとは、治療者が、患者からの投影や転移に流されたり過剰に反応したりせずに、それを受容し耐えることによって、治療関係が有効に機能することです。
W.R.Bionが唱えた概念です。
よって選択肢は、誤りです。

2→ドリームボディとは、身体症状に隠された意味を見抜くことで、自己理解を深めることです。
A.Mindelが唱えた概念です。
よって選択肢は、誤りです。

3→フェルトセンスとは、問題文の通りで、言葉にならない身体感覚のことです。
E.TGendlinが唱えた概念です。
よって選択肢は、正しいです。

4→フォーカシングとは、人間の体験過程とその象徴化の過程、またそれらを体系化した技法のことです。
E.TGendlinが考案しました。
よって選択肢は、誤りです。

5→センサリー・アウェアネスとは、より生き生きと、あらゆる場面に心をかたむけ、今を生きていくことです。
E.gindlerが唱えた概念です。
よって選択肢は、誤りです。

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