公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問23

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

日本語を母語としない成人の知能検査として、最も適切なものを1つ選べ。ただし、検査内容の説明程度は日本語で理解できるものとする。
  • PARS-TR
  • WISC-Ⅳ
  • ベンダー・ゲシュタルト検査
  • ウィスコンシンカード分類検査
  • コース立方体組み合わせテスト

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解:5】

本問は“成人の知能検査”を選ぶ問題ですので、検査の対象年齢もポイントになります。

1:PARS-TRは3歳から成人までが対象ですが、PARSは親面接式自閉スペクトラム症評定尺度の略であり(PARSのAは、ASDのA)、これは知能検査ではありません。

2:WISC-Ⅳは知能検査ですが、対象年齢が5歳から16歳11か月までなので、成人向けではありません。

3:ベンダーゲシュタルト検査は成人も対象としていますが、作業検査や投影法検査として用いられており、知能検査ではありません。

4:ウィスコンシンカード分類検査は、成人も対象に含まれます。しかし、この検査は知能検査ではなく神経心理学的な検査であり、実行機能の計測に適した検査とされています。

5:コース立方体組み合わせテストは、成人も対象に含まれ、かつ用途が知能の測定なので、これが正解となります。
なお、本検査は教示がパントマイムと模倣のみで成立するので、“日本語を母語としない“という対象者の条件も満たしています。

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02

正解は5です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→PARS-TRは、親面接式自閉症スペクトラム症評定尺度のことです。
保護者から聞き取りを行う半構造化面接法であり、成人の知能検査ではありません。
よって選択肢は、不適切です。

2→WISC-IVは、5歳から16歳11カ月の子どもを対象とした、ウェクスラー式知能検査です。
よって選択肢は、不適切です。

3→ベンダー・ゲシュタルト検査は、脳機能障害やパーソナリティの偏りなどを評価する検査であり、知能検査ではありません。
よって選択肢は、不適切です。

4→ウィスコンシンカード分類検査は、前頭葉機能や、実行機能を計測する検査であり、知能検査ではありません。
よって選択肢は、不適切です。

5→コース立方体組み合わせテストは、図版通りにブロックを組み立てていく検査です。
指示は図で示されており、言語的な要因がほとんど介入しない検査でもあります。
6歳から成人までが対象の検査です。
よって選択肢は、適切です。

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03

正解は、5です。

問題文に「成人の知能検査」とありますので、「成人に使える検査」であることと、「知能検査」であることが必須です。

1.→PARS-TRは、「自閉症スペクトラム症評定尺度」であり、本人ではなく親面接によって行われます。

知能検査ではないことと、親が日本語をわかっていないと答えるのが難しい質問もあるため、日本語を母語としない方の心理検査としては適切とは言えません。よって、1は誤りです。

2.→WISC-Ⅳは「ウェクスラー式知能検査」ですが、成人用はWISCではなくWAISになります。WISC-Ⅳの適用年齢は5歳~16歳11ヶ月です。ちなみに、成人用のWAISの適用年齢は16歳~89歳です。よって、2は誤りです。

3.→ベンダー・ゲシュタルト検査は、適用年齢が5歳以上であり、成人にも使えますが、主に認知症の検査に用いられるものです。

ベンダー・ゲシュタルト検査は、脳の損傷についてみる心理検査であり、知能検査ではないため、3は誤りです。

4.→ウィスコンシンカード分類検査も神経心理学的検査です。こちらは、成人に用いることができる、前頭葉機能検査になります。

知能検査ではありませんので、4は誤りです。

5.→コース立方体組み合わせテストは作業式テストなので、視覚障害児、難聴の子ども及び大人、言語障害児、児童だけでなく、高齢者の認知症患者にも使われる検査です。

高齢者の知能も測ることができるため、5が正しいです。

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