公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午前 問75

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午前 問75 (訂正依頼・報告はこちら)

23歳の男性A、大学4年生。Aが学生相談室に来室した。昨年度末で卒業の予定であったが、必修科目の単位が取得できず留年した。その必修科目については1年次から何度も履修を繰り返し、単位取得に向けて最大限の努力を続けてきたが、結果は全て不合格であった。今年度からは、留年した学生のための特別な学習指導を新たに受けられるようになった。それにもかかわらず、努力をしても無駄だと感じて意欲を喪失し、欠席が続いている。
現在のAについての説明として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 自尊感情が過度に低い。
  • テスト不安が過度に高い。
  • 学習性無力感に陥っている。
  • ソーシャルスキルが不十分である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は3です。

1 失敗経験(不合格)が続くことで、自分自身への評価が低くなり、自尊感情が低下してしまうことは十分に考えられます。間違いではないとは考えられますが、このケースにおいて、より適した選択肢が他にあるため、正答とはなりません。

2 不合格が続く中で、また失敗するのではないかという不安が高じることは考えられますが、事例にそうした不安感がうかがえる記述が見当たらないため、最適とは言えません。

3 学習性無力感とは、回避や抵抗することができないストレスに長期間さらされると、その(不快な)状況から逃れようとする行動・努力をしなくなることを指します。この場合、単位取得に向けて努力をしてきたにもかかわらず、不合格が続いていることから、自分は無力なのだと学習し、努力をしなくなっている状況が、「努力をしても無駄だと感じて意欲を喪失し、欠席が続いている。」との記述から見て取れます。そのため、Aが学習性無力感に陥っているという記述が最も適切であると考えられます。

4 ソーシャルスキルとは、社会の中で他者と円滑な関係を築いていくために必要とされる技能のことを言います。この事例においては、Aの対人関係に関する記述がないため、最適とは言えません。

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02

【正解:3】

必修科目を何度も履修し、最大限の努力を続けてきたのにも関わらず全て不合格となり、努力をしても無駄だと感じて意欲を喪失し、欠席が続いている事例です。

まず、2と4については、文中に記述がありませんので不適切です。

残る1と3は、どちらもありそうです。ただ、努力を続けたのに不合格となり、己の無力さを感じている状態と考えれば、最も適切な選択肢は3と言えます。

なお、学習性無力感とは、Seligmanが提唱した概念で、努力を重ねても望む結果が得られない状況が続いたことにより、何をしても無意味と思うようになり、不快な状態を脱する努力を行わなくなることを指します。

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03

以下に解説します。

選択肢3. 学習性無力感に陥っている。

Aは必修科目の履修に何度も挑戦し、最大限の努力を続けたにもかかわらず結果が伴わなかったため、「努力をしても無駄だ」と感じ、意欲を失ってしまっています。これは、繰り返し失敗を経験することで「何をやっても成功しない」という無力感を学んでしまう状態、つまり「学習性無力感」に該当します。

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