公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問78
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問題
公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問78 (訂正依頼・報告はこちら)
生物心理社会モデルについて、適切なものを1つ選べ。
- スピリチュアリティを最も重視するモデルである。
- クライエントを包括的に理解する上で有用なモデルである。
- 医療技術の高度化を促進するために考案されたモデルである。
- 生物生態学的モデルへの批判を背景に生まれたモデルである。
- クライエントの健康や疾病に責任を持つのは医療従事者とみなすモデルである。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は2です。
生物心理社会モデルとは、人間は生物的、心理的、社会的の側面が相互に作用しながら成り立っているとするものです。人間の病気や不調についても、生物的、心理的、社会的な要因が影響し合っているため、ひとつの側面だけでなく、統合的に捉えてアプローチする必要があるとされています。
1 ひとつの側面だけでなく、統合的に捉えてアプローチをしていく必要があり、スピリチュアリティ(精神性)を最も重視するモデルという記述は誤りとなります。
2 記述のとおりです。複数の側面から捉えようとすることで、クライエントを包括的に理解することにつながります。
3 疾病を生物的要因だけでなく、個人の心理的要因や家族や社会との関係などの社会的要因を含めて総合的に判断するモデルであり、医療技術の高度化の促進が目的とは言えません。
4 生物心理社会モデルは、疾病を診断し治療を適応する「生物医学モデル」への批判を背景に生まれたものであり、生物生態学的モデルという記述は誤りとなります。なお、生態学とは生物と環境との関係や相互作用を扱う分野となります。
5 医学的(生物的)な側面ではなく、心理的、社会的側面からのアプローチを行う必要があるとされています。そのため、疾患を医療従事者だけの責任とするのではなく、例えば、社会的要因に対して、必要な環境調整やソーシャルサポートの活用などで対処していくというように、様々な領域が連携しながら取り組むことが望ましいと考えられます。したがって、誤りとなります。
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02
生物心理社会モデルとは、George Engeによって提唱されたモデルで、人間の疾患を包括的に捉えようとするものです。
人間の疾患を、生物学的な要因だけでなく、心理的な要因、その人を取り巻く社会的要因の3つの観点から総合的に捉え、介入することを目指します。要因間の相互作用を想定している点が、特徴として挙げられます。
このモデルは3つの側面から総合的に捉えるものであって、どれか1つを重視する考え方ではありませんから、1、3、5は不適切と言えます。
4について、生物心理社会モデルは、生物生態学的モデルではなく、生物医学モデルへの批判として誕生しました。なお、生物生態学的モデルにある“生態学”とは、生物と環境との相互作用を扱う学問分野のことです。
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03
以下に解説します。
このモデルは、生物学的要因、心理的要因、社会的要因が相互に作用しあって健康や病気に影響を与えるという考え方を基にしています。そのため、個人の健康状態を理解するためには、これらの異なる側面を考慮することが重要であり、クライエントをより包括的に理解するための有用なフレームワークとされています。
スピリチュアリティは一部の文脈で重要視されることがありますが、生物心理社会モデルの中心的な要素ではありません。
正しいです。
このモデルは、医療技術の高度化を目的としたものではなく、健康と病気を多角的に理解するためのモデルです。
生物生態学的モデルとは異なるが、必ずしもその批判から生まれたわけではなく、より広範な視点から人間の健康を考えるためのモデルです。
生物心理社会モデルは、クライエント自身が健康や疾病に影響を与える要因を持っていることを強調しているため、医療従事者だけが責任を持つという考え方ではありません。
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