公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問80

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問80 (訂正依頼・報告はこちら)

1要因分散分析の帰無仮説として、正しいものを1つ選べ。
  • 全ての水準の母平均は等しい。
  • 全ての水準間の母分散は等しい。
  • 全ての水準の母平均は等しくない。
  • 少なくとも1組の水準間の母平均は等しい。
  • 少なくとも1組の水準間の母平均は等しくない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は1です。

1要因分散分析とは、水準間の平均値に差があるかどうかを1つの要因から検討する方法です。したがって(2)の「母分散」は誤りとなります。


帰無仮説とは、検定を行うために立てる仮説のことを言います。検定においては、まず帰無仮説を立て、検証して矛盾が生じた場合、帰無仮説を棄却することで、対立仮説(帰無仮説に対する仮説)を証明する流れとなります。「無に帰する」という言葉のように、帰無仮説とは棄却することを目的に設定されるため、主張したい仮説ではない方を当てはめます。


1要因分散分析の場合、帰無仮説としては「全ての水準の母平均は等しい」という仮説が立てられ、これが棄却されることにより、対立仮説の「いずれかの水準の母平均は他とは異なるものがある」を結論とする検定となります。したがって(3)は誤りとなります。

なお、(4)(5)の「少なくとも1組の」という表現についてですが、分散分析においては、水準間に差があるかどうかは分かるものの、どの水準間に差があるかということは明らかになりません。どこに差があるかを調べる場合は多重比較法を用いて検定する必要があります。したがって、1要因分散分析においては適切ではなく、誤りとなります。


以上のことから、(1)の「全ての水準の母平均は等しい」という帰無仮説が正しいと言えます。

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02

【正解:1】

帰無仮説は、統計的仮説検定において、最終的に棄却されることを目的とした仮説のことを言います。
具体的には、“差がある”とする対立仮説に対し、“差がない”とするのが帰無仮説であり、この帰無仮説を棄却することで、対立仮説が採択されます。差がない = 等しいとするのが帰無仮説ですから、この点で3と5は不適切であることが分かります。

分散分析とは、3群以上の平均値の差の有無を調べるための手法であり、1要因とは文字通り要因が1つであることを指します。
よって、2は“分散”が不適切で、正しくは“平均”です。
また、4は“少なくとも1組の~”という含みのある表現が使われていますが、分散分析のおける帰無仮説は“全て等しい(どこにも差がない)”というものですから、4も不適切となります。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 全ての水準の母平均は等しい。

正しいです。要因分散分析の基本的な帰無仮説であり、異なる水準(群)間に差がないことを示しています。

選択肢2. 全ての水準間の母分散は等しい。

前提条件に関するもので、帰無仮説ではありません。

選択肢3. 全ての水準の母平均は等しくない。

これは対立仮説です。すなわち、少なくとも1つの群の平均が他の群と異なることを示します。

選択肢4. 少なくとも1組の水準間の母平均は等しい。

これは帰無仮説ではなく、対立仮説に近い表現です。

選択肢5. 少なくとも1組の水準間の母平均は等しくない。

これは対立仮説です。

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