公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問81

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問81 (訂正依頼・報告はこちら)

運動視に関連した現象として、正しいものを1つ選べ。
  • McGurk効果
  • マッハバンド
  • 変化の見落とし
  • McCollough効果
  • フラッシュラグ効果

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は5です。

1 マガーク効果とは、耳で聞いた音声と矛盾した口の動きを目で見たときに、口の動きから音声を判断してしまうといった、聴覚が視覚情報の影響を受ける現象のことを表します。

2 マッハバンドとは、隣接する色同士の明度差から、意図しない境界線が見えてしまう錯覚のひとつです。例えば、微妙に濃淡の異なるグレーの領域が接触している場合、暗い方の領域の境界付近はより暗く、明るい方の領域の境界付近はより明るく強調されて見えたります。

3 変化の見落としとは、注意を向けているにもかかわらず、視覚的に認知が可能と思われる変化があっても、その違いに気が付きにくいといった視覚認知の特性を表します。

4 マッカロー効果とは色残効の一種であり、互いに方向の異なる緑の縞と赤の縞を交互に数秒ずつ凝視し、数分間順応すると、白黒の縞が方向によって順応時の補色に薄く色づいて見える現象などを指します。

5 フラッシュラグ効果とは、ある光点が動いているとき、運動する光点が運動方向に若干ずれた位置に知覚される現象のことを言い、運動視に関する現象であるため正答です。

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02

【正解:5】

運動視は、動いている物体の運動方向や速さを知覚する視覚機能のことです。

1:McGurk効果は、言語音声の音韻知覚において聴覚情報と視覚情報の相互作用を示す現象の1つです。
言語音声に関する現象であって、“動いているもの”に関する現象ではありません。

2:マッハバンドは錯視の一種で、微妙に濃淡の異なるグレーの領域が接触している場合に、暗い方の領域の境界付近はより暗く、明るい方の領域の境界付近はより明るく強調されて見える現象です。
こちらも“動いているもの”ではありませんから誤りとなります。

3:変化の見落としは、変化盲とも呼ばれ、途中で生じた明らかな変化に気づかないことを指します。何か1つのことに目を向けていると、注意が向けられていない空間的領域における変化に気づくことが出来ない場合があります。これは変化の知覚であって方向や速さの知覚ではありませんから、これも誤りとなります。

4:McCollough効果は、残効の一種で、互いに方向の異なる緑の縞と赤の縞を交互に数秒ずつ凝視し、数分間順応すると、その後提示された白黒の縞が薄い赤に色づいて見える現象のことです。
これは縞の話であって、やはり“動いているもの”に関する現象ではありません。

5:フラッシュラグ効果は、ラグ効果とも呼ばれ、運動する光点の真下の位置で別の光点を一瞬点灯すると、実際には二つの光点が垂直位置にあるにもかかわらず、運動する光点が運動方向に若干ずれた位置に知覚される現象です。
“運動する”という記述から、運動視に関する現象であると分かります。よって5が正解となります。

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03

以下に解説します。

選択肢1. McGurk効果

視覚的な情報(口の動き)と聴覚的な情報(音声)が一致しない場合に、聴覚知覚が視覚情報に影響される現象です。主に音声認識に関するものです。

選択肢2. マッハバンド

視覚的なコントラストの知覚に関する現象で、色や明るさの境界で強調された境界線が見えることです。運動視には直接関係ありません。

選択肢3. 変化の見落とし

環境の変化に気づかない現象です。運動視に関連しているが、特に運動に焦点を当てたものではありません。

選択肢4. McCollough効果

特定の色を持つ縞模様を見た後に、白黒の縞模様を見たときに色が変化して見える現象です。運動視とはあまり関係ありません。

選択肢5. フラッシュラグ効果

正しいです。動く物体が光ると、視覚的な遅延を感じる現象です。運動視に関連しており、動きの知覚における時間のズレを示します。

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