正答は2です。
1 負の強化とは、オペラント条件付けにおける手続きのひとつで、嫌悪刺激を取り除くことで、行動の生起率を増加させるための操作です。うつ状態に関連する現象としては最適であるとは言えず、誤りとなります。
なお、オペラント条件付けにおいては、強化(自発的行動の生起率を増加させるための操作)と罰(生起率を低下させるための操作)を通して行動の生起率を変化させます。刺激を与えることを正、刺激を取り除くことを負と言い、正の強化(報酬を与える)、負の強化(嫌悪刺激の除去)、正の罰(嫌悪刺激を与える)、負の罰(報酬の除去)があります。
2 学習性無力感とは、回避や抵抗することができないストレスに長期間さらされると、その(不快な)状況から逃れようとする行動や努力をしなくなる状態を指します。学習性無力感が生じると、何をしても無駄というネガティブな感覚や諦め・無気力が支配的になるなどうつ状態につながる症状が生じます。また、学習性無力感を提唱したセリグマンは、学習性無力感に基づいてうつ病発症のモデルを形成したなど、うつ状態において関連は大きい現象であると考えられ、正答です。
3 嫌悪条件付けとは、古典的条件付けにおける手続きのひとつです。不適切な行動を消去したい場面において、行動に対して、不快な刺激を対呈示することによって、行動と不快感を結び付ける条件付けを生じさせ、行動の消去を図るものです。うつ状態との関係は(2)と比較しても少なく、誤答となります。
4 回避学習とは、あらかじめ適当な行動を取れば嫌悪刺激を回避することができるような状況を設定すれば、嫌悪刺激を回避することを学習することを表します。受動的回避学習とは、行動しないことによって嫌悪刺激を回避することを言います。うつ状態との関係は(2)と比較しても少なく、誤答となります。
5 代理的条件付けとは、観察による条件付けであり、自分は体験していないものの、他者の体験を見聞きすることで条件付けが生じることを表します。これも、うつ状態との関係は(2)と比較しても少なく、誤答となります。