公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問88

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問88 (訂正依頼・報告はこちら)

乳児院に一時保護された1歳半の幼児の認知・言語機能を評価する心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。
  • WPPSI-Ⅲ
  • 日本語版KABC-Ⅱ
  • 田中ビネー知能検査Ⅴ
  • ベンダー・ゲシュタルト検査
  • 遠城寺式乳幼児分析的発達検査

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解:5】

1歳半の幼児に実施すべき検査を選ぶ問題です。

1:WPPSI-Ⅲはウェクスラー式知能検査の幼児用(1つ目のPはPreschoolのP)ですが、対象は2歳6か月から7歳3か月となっています。

2:KABC-ⅡはKaufman夫妻によって開発された知能検査ですが、対象は2歳6か月~18歳11か月となっています。

3:田中ビネー知能検査Vはビネー式の知能検査です。対象は2歳~成人であり、やはり本事例には適用できません。

4:ベンダー・ゲシュタルト検査は9つの幾何図形の模写を行う検査です。児童用や成人用がありますが、児童用は5歳~10歳までが対象となっています。

5:遠城寺式乳幼児分析的発達検査は、乳幼児の発達について全般的に評価する検査です。対象は0歳~4歳7か月であり、本事例に適用可能です。

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02

正答は5です。

1 WPPSI-Ⅲとは、ウェクスラー式知能検査(幼児用)であり、言語機能や認知能力を測ることが可能です。しかしながら、適用年齢が2歳6か月からとされているため、この場合は適当ではなく、誤りとなります。

2 KABC-Ⅱにおいても、認知・言語機能を評価することは可能でありますが、適用年齢が2歳6か月からとされているため、この場合は適当ではなく、誤りとなります。KABC-Ⅱは、認知処理能力に加え、基礎的学力も測定できる検査とされています。

3 田中ビネー知能検査Ⅴは、適用年齢が2歳からとなり、この場合は適当ではなく、誤りとなります。また、知能の発達状況を捉えることは可能ですが、認知・言語機能の評定という点においては、(1)や(2)の方が適しているとも考えられます。

4 ベンダー・ゲシュタルト検査とは、9個の幾何図形を被検者に模写させて分析する検査です。これも適用年齢が5歳からとなり、誤りとなります。また、神経機能や脳障害などを評価できる検査として用いられることが多く、認知・言語機能を測る上で最適であるとは言えないと考えられます。

5 遠城寺式乳幼児分析的発達検査とは、乳幼児発達の発達状況を全般的に把握するための検査です。適用年齢が0か月からであり、保護者からの聞き取りや観察によって評価します。1歳半の幼児にも適用可能であるため、正答です。

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03

事例に適当な心理検査を選ぶ問題です。

選択肢1. WPPSI-Ⅲ

誤りです。WPPSI-Ⅲとは、ウェクスラー式知能検査であり、幼児向けの、言語機能や認知能力を測ることを目的とした検査になります。適用年齢は2歳6か月で、1歳半の幼児は対象になりません。
 

選択肢2. 日本語版KABC-Ⅱ

誤りです。KABC-Ⅱは認知・言語機能を評価することに加え、基礎学力も測定することが可能ですが、適用年齢が2歳6か月からであるため、1歳半の幼児は対象になりません。
 

選択肢3. 田中ビネー知能検査Ⅴ

誤りです。田中ビネー知能検査Vは2歳~成人を対象とした知能検査です。
 

選択肢4. ベンダー・ゲシュタルト検査

誤りです。ベンダー・ゲシュタルト検査とは、9個の幾何図形を被検者に模写させて分析する検査で、5歳~が適用年齢になります。精神発達の程度、神経機能、脳障害などを評価する検査として有効ですが、本事例のように認知・言語機能の測定には最適とは言えないです。

選択肢5. 遠城寺式乳幼児分析的発達検査

正解です。遠城寺式乳幼児分析的発達検査とは、乳幼児発達の発達状況を全般的に把握するための検査です。0か月から適用することができ、言語能力が発達していない乳児も対象であるのが特徴です。保護者からの聞き取りや観察によって評価できるためです。

まとめ

検査に関する問題は、各検査の目的、評価しようとしているもの、適用年齢についてしっかりとおさえることが重要です。

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