公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問91

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問91 (訂正依頼・報告はこちら)

自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害<ASD>について、正しいものを1つ選べ。
  • 男性よりも女性に多い。
  • 知的障害を伴うことはない。
  • 精神障害者保健福祉手帳の対象ではない。
  • 放課後デイサービスの給付対象ではない。
  • 感覚過敏はDSM-5の診断基準の中に含まれている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は5です。

1 性別では男性の方が多い(女性の2~4倍程度)と言われており、誤りとなります。

2 知的能力は正常範囲であるケースも存在しますが、知的障害を伴うケースは少なくありません。したがって、誤りとなります。

3 精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害を有する場合に交付されるものです。DSM-5においては発達障害も精神障害に含まれており、統合失調症などの精神疾患だけでなくASDなどの発達障害も対象になりますので、誤りとなります。なお、知的障害の場合は療育手帳の取得が可能となります。

4 放課後等デイサービスは、発達障害や学習障害、知的障害など障害を抱える子どもが対象であり、就学している子どもたちが利用できます。また、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳がなくても、放課後等デイサービスの必要が認められれば利用することは可能です。ASDの場合は対象になり得ますので、誤りとなります。

5 ASDの特徴として、感覚刺激に対してのこだわり、つまり感覚過敏である(あるいは鈍感である)点が挙げられており、記述のとおりです。

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02

【正解:5】

ASDは、DSM-5によれば、発達早期から、
①社会的コミュニケーションおよび対人相互反応における持続的な欠陥
②行動、興味、または活動の限定された反復的な様式
の2点が認められる発達障害のことです。
このASDは、DSM-Ⅳ-TRで用いられていた広汎性発達障害の中に含まれていた、自閉症障害やアスペルガー症候群なども含んだ診断名となっています。

1:女性よりも男性の方が、4倍ほど多いとされています。

2:自閉症障害には、知的な遅れを伴うものとそうでないもの(高機能自閉症)とがありました。DSM-5では自閉症障害はASDに含まれますから、知的障害を伴うASDも存在するということになります。

3:精神障害者保健福祉手帳は、文字通り一定程度の精神障害にあることを認定する手帳です。対象は全ての精神障害で、統合失調症やうつ病だけではなく、てんかんや高次脳機能障害、発達障害などが含まれます。

4:放課後(等)デイサービスは、小1~高3(特例で20歳までOK)の障害を持った子や発達に特性を持っている子が利用できる福祉サービス施設のことです。サービスの利用には受給者証が必要で、市区町村で発行されています。主に療育の場として機能する場所ですから、当然ASDも対象となっています。

5:正しい記述です。具体的には、上記②に含まれており、“感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に関する環境に対する普通以上の関心”と記述されています。

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03

以下に解説します。

選択肢1. 男性よりも女性に多い。

性別では男性の方が多い(女性の2~4倍程度)と言われており、誤りとなります。

選択肢2. 知的障害を伴うことはない。

誤りです。自閉症障害には知的な遅れを伴うものとそうでないもの、高機能自閉症があります。知的障害を伴うASDも少なくありません。

選択肢3. 精神障害者保健福祉手帳の対象ではない。

誤りです。精神障害者保険福祉手帳は、統合失調症やうつ病だけではなく、てんかんや高次脳機能障害、発達障害など全ての精神障害が対象となります。

選択肢4. 放課後デイサービスの給付対象ではない。

誤りです。ASDなどの発達障害も放課後等デイサービスの給付対象となります。そのほかには、学習障害、知的障害など障害を抱える子どもが対象であり、就学している子どもたちが利用できます。

 

選択肢5. 感覚過敏はDSM-5の診断基準の中に含まれている。

正解です。ある環境に対して普通以上に反応してしまう感覚過敏、そして反対に感覚が鈍い鈍感性がDSM-5 の診断基準に含まれています。

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