公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問119

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問119 (訂正依頼・報告はこちら)

ストレス反応について、誤っているものを1つ選べ。
  • 身体的ストレス反応は、中枢神経系に引き続き内分泌系に現れる。
  • 身体的ストレス反応には、交感神経系と副交感神経系の両方が関わる。
  • 心身症とは、発症や経過に身体的ストレス反応が関わる身体疾患である。
  • ストレッサーの種類によって、心身に生じるストレス反応の内容も決まる。
  • 心理的ストレス反応には、抑うつ、不安、怒りなどのネガティブな感情が含まれる。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は4です。

H.Selyeが提唱した「汎適応症候群」というものがあります。これは、ストレッサーにさらされた生体に生じる、ストレスに適応するための一連の反応のことを言います。

1.→汎適応症候群において、「視床下部-下垂体-副腎系」が重要なストレス反応系であることを実証しました。大脳皮質がストレスを認識すると、視床下部へと刺激が伝えられ、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が分泌されると、下垂体前葉からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌が促進されます。
よって、身体的ストレス反応は中枢神経系に引き続き内分泌系に現れるので、1は正しいです。

2.→自律神経は交感神経系と副交感神経系から成り立っています。身体的ストレス反応を受けると、交感神経系がはたらきます。一方、副交感神経系は休息時にはたらきます。自律神経はこの2つの神経系のバランスによって保たれていますが、自律神経のバランスが崩れると自律神経失調症になり、頭痛や胃痛など身体の不調が現れます。よって、2は正しいです。

3.→心身症とは、身体疾患であり、身体疾患のうち、その病気の「発症」や「過程」にストレス反応が大きく影響してくるものをいいます。よって、3は正しいです。

4.→ストレッサーの種類によって、心身に生じるストレス反応の内容が決まるわけではありません。例えば、ストレスを受けると必ず頭痛が起こるとは限らず、他のところに症状が出る人も多くいます。よって、4は誤りです。

5.→心理的ストレス反応を受けると、不安や怒り、緊張や悲しみなどを伴います。大脳辺縁系にある偏桃体や海馬が関係し、情動に影響を与えます。よって、5は正しいです。

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02

【正解:4】

1:身体的ストレス反応としては、ストレスを感じるという処理が大脳で行われ、その後 HPA axis という内分泌系を経てコルチゾールというホルモンが分泌されます。

なお、コルチゾールは肝臓での糖の新生や、抗炎症および免疫抑制などが主な働きですが、ストレスを受けたときに分泌が増えることから、ストレスホルモンとも呼ばれています。

2:正しい記述です。

3:正しい記述です。心身症は、身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与する病態を指します。

4:ストレッサーの種類とストレス反応に対応関係はありません。

5:正しい記述です。

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