公認心理師 過去問
第2回(2019年)
問121 (午後 問123)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 問121(午後 問123) (訂正依頼・報告はこちら)

知能検査を含む集団式の能力テストについて、適切なものを1つ選べ。
  • 個別で実施することはできない。
  • 第二次世界大戦を機に兵士の選抜のために開発された。
  • 学校での成績の予測妥当性は相関係数にして0.60を超える。
  • 学習障害や発達の遅れのスクリーニングとして使うことができる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1.→集団式の能力検査は、「集団内での個人の相対位置を評価」するためにあります。「集団でやらなくてはいけない能力検査」という意味ではありません。個人でも使うことはできますので、1は誤りです。

2.→第一次世界大戦を機に兵士の選抜のために開発されたので、2は誤りです。

3.→予測妥当性とは、検査の結果と、検査を実施してから一定の期間を経て得られた外的基準との相関関係の大きさのことを言います。実際にどの検査を使ったかはここには書かれていませんが、検査の種類と、どの教科を組み合わせるかにより、予測妥当性が0.60を超えないものも出てきます。よって3は誤りです。

4.→集団式の能力テストは、学習障害や発達の遅れのスクリーニングとして使うことができます。集団式能力テストは、米国陸軍式知能検査のときからスクリーニング検査(簡便に、精密検査を必要とする人をふるいにかける)ために使われてきました。よって、4は正しいです。

参考になった数74

02

【正解:4】

1:集団式知能検査にはアーミーメンタルテストなどがありますが。これらは個別で実施できないわけではありません。

2:集団式知能検査が開発されたのは、第一次世界大戦後です。

3:予測(的)妥当性とは、ある尺度得点によって将来の事象を予測できる程度から評価する指標のことです。

ざっと調べた限り、学業成績の予測妥当性に関する資料は見つかりませんでした。ただ、「“IQ = 学力の高さ”とは言えない」というのが定説ではあります。現に、IQに比べ高い学力を示すオーバーアチーバー、低い学力を示すアンダーアチーバーという言葉もあります。

4:正しい記述です。スクリーニングとは、ふるい分けるということです。流れとしては、集団式検査で気になる部分が見つかった被検者に対して、個別式検査で再検査を行うことになります。

参考になった数41

03

この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。集団式の能力テストを行うときの基本的な留意点について、問われています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 個別で実施することはできない。

個別で実施することができないテストはありません。集団の中での個々の位置づけを知るという考え方であったとしても、個々で実施しデータを集めて分析することができるため、間違いです。

選択肢2. 第二次世界大戦を機に兵士の選抜のために開発された。

知能検査の歴史上、兵士の配置を決めるために活用された歴史があります。選抜のために開発されたわけではありませんので、間違いです。

選択肢3. 学校での成績の予測妥当性は相関係数にして0.60を超える。

予測妥当性とは、検査の結果が、将来の基準として活用できる可能性を示すものです。学校での成績の予測妥当性の相関係数を明確に示している検査はありません。教育を行うにあたり、この予測妥当性を加味して行うことや、過去の論文にて予測的妥当性の有無について述べているものはありましたが、相関係数を明示していないため、間違いです。

選択肢4. 学習障害や発達の遅れのスクリーニングとして使うことができる。

正解です。

簡便に集団でスクリーニング目的で行うことは可能であり、現在も行われています。

まとめ

一般論で問われていますので、各問の内容を比較して内容を吟味しながら回答することが求められます。検査を行うときの基本的留意点について、確認しておきましょう。

参考になった数0