公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問128

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問128 (訂正依頼・報告はこちら)

J. Piaget の発達段階説について、正しいものを2つ選べ。
  • 発達段階は個人によってその出現の順序が入れ替わる。
  • 感覚運動期の終わり頃に、延滞模倣が生じる。
  • 前操作期に入ると、対象の永続性に関する理解が進む。
  • 形式的操作期に入ると、仮説による論理的操作ができるようになる。
  • 具体的操作期に入ると、イメージや表象を用いて考えたり行動したりできるようになる。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2と4です。

J. Piaget の発達段階説
①感覚運動期(0~2歳):生まれたばかりの赤ちゃんは、「自分」と「自分以外」の見分けがつきません。そこから、ものに触れたり、人とかかわることによって自他の区別をつけていく段階です。対象の永続性(目の前にいるものが視界からいなくなっても、そこには存在しているということがわかる)が備わるのはこの時期です。
1歳半ごろになると、相手の行動を見てから一定時間が経過したあとに模倣する姿がみられます(これを遅延模倣といいます)。

② 前操作期(2~7歳):イメージや表象を使って考えられるようになる段階です。自分の視点を中心にした見方(自己中心性)をするのが特徴です。自分を客観的に見ることはまだできません。イメージや表象を使って、ごっこ遊びなどができるようになります。

③ 具体的操作期(7~12歳):論理的な思考を身につけるようになります。また、他人の視点についても考えることができるようになります(脱自己中心性)。

④ 形式的操作期(12歳~成人):抽象的思考もできるようになります。仮定的な考えもできるようになります。

なお、この発達段階の順番が入れ替わることはありません。

1.→個人によって発達段階は入れ替わらないので、これは誤りです。

2.→1歳半ごろに遅延模倣が生じるので、これは正しいです。

3.→対象の永続性は、感覚運動期に獲得するものなので、これは誤りです。

4.→仮説による論理的操作ができるようになるのは形式的操作期なので、これは正しいです。

5.→イメージや表象を使って考えるのは前操作期なので、これは誤りです。

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02

【正解:2と4】

Piagetは、子どもの認知や思考の仕方に着目し、認知発達論を唱えました。その理論の中では、認知や思考の仕方について、

・感覚運動期

・前操作期

・具体的操作期

・形式的操作期

という4つの段階が想定されています。

1:発達は一定の順序で進むと考えられており、順序が入れ替わることはありません。

2:感覚運動期は0歳~2歳までを指し、この時期に“対象物の永続性の理解”や、“表象機能”を獲得すると言われています。

このうち表象機能は、目の前にないものを思い浮かべることであり、その例として延滞模倣があります。延滞模倣は、観察した行動を、時間が経過してから行う(真似する)ことです。

3:対象の永続性は選択肢2で示した通り、感覚運動期に獲得されます。

4:形式的操作期は12歳以降のことを指します。

この時期になると抽象的な概念や仮説的な事物に対して、論理的に思考することが出来るようになります。

5:具体的操作期は9歳~11,12歳くらいまでを指します。

この時期になると、具体的な事物に対し、論理的に思考することが出来るようになります。イメージや表象を用いて考えたり行動したりすることが出来るようになるのは、1つ前の前操作期の話です。

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