公認心理師 過去問
第2回(2019年)
問131 (午後 問133)

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 問131(午後 問133) (訂正依頼・報告はこちら)

物質使用障害について、正しいものを2つ選べ。
  • コカインは身体依存性が強い。
  • ヘロインは身体依存性が強い。
  • 大麻はドパミン受容体を介して多幸作用を生じる。
  • モルヒネはオピオイド受容体を介して興奮作用を生じる。
  • 3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン<MDMA>はセロトニン遊離増加作用を介して幻覚を生じる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2と5です。

1.→コカインには身体依存性はありません。その代わり、精神依存性があり、離脱症状として妄想や幻覚があります。興奮作用のある薬です。よって1は誤りです。

2.→ヘロインは身体依存性と精神依存性の両方があります。鎮静作用のある薬です。よって2は正しいです。

3. →大麻は多幸作用を生じますが、ドパミン受容体を介して生じるものではありません。よって3は誤りです。

4.→モルヒネはオピオイド受容体を介して鎮静作用を生じます。よって4は誤りです。

5.→3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン<MDMA>はセロトニンなどの増加作用によって幻覚作用が起こります。よって5は正しいです。

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02

【正解:2と5】

物質使用障害とは、一般に、物質の使用により問題が生じているにも関わらず、その使用を続けることを指します。

アルコール使用障害や、大麻使用障害などがあります。

1:コカインによる依存症は非常に強い部類に含まれますが、精神的依存が主で、身体的依存は弱いとされています。

2:ヘロインは快感、精神的依存、身体的依存すべてが非常に強いとされています。

3:大麻(マリファナ)の作用機序を簡単に述べると以下の通りです。

まず、大麻の主成分であるTACは、私たちが摂取してから脳に至るまでの間に、カンナビノイドという物質に変化します。そして人間の脳にはカンナビノイド受容体というものが存在し、これとカンナビノイドが結びつくことで、大麻の作用が生じます。

4:モルヒネはオピオイド受容体を介して鎮痛作用を生じさせます。興奮作用ではありません。

なお、モルヒネの(中枢)興奮作用の1つに催吐作用がありますが、これはモルヒネが延髄のCTZのD2受容体に作用することで生じます。

5:正しい記述です。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。依存要素の高い物質の特性について問われています。

では問題を見てみましょう。

選択肢1. コカインは身体依存性が強い。

精神依存性はありますが身体依存性はありませんので、間違いです。

選択肢2. ヘロインは身体依存性が強い。

正解です。

離脱症状として全身の強い痛みを生じます。

選択肢3. 大麻はドパミン受容体を介して多幸作用を生じる。

多幸作用を生じますが、カンナビノイド受容体、特にCBI受容体の活性化によりますので、間違いです。

選択肢4. モルヒネはオピオイド受容体を介して興奮作用を生じる。

強い薬物依存性を持ち、鎮痛・鎮静効果がありますので、間違いです。

選択肢5. 3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン<MDMA>はセロトニン遊離増加作用を介して幻覚を生じる。

正解です。幻覚症状や中枢の興奮作用を産み出します。

まとめ

薬物使用により、神経伝達経路へ様々な作用を与え、身体依存や精神依存を生じさせます。神経伝達経路についても、丁寧に整理しておきましょう。

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