公認心理師の過去問
第2回(2019年)
午後 問134
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問題
公認心理師試験 第2回(2019年) 午後 問134 (訂正依頼・報告はこちら)
親権について、正しいものを2つ選べ。
- 親権には財産管理権は含まれない。
- 民法には親権喪失及び親権停止が規定されている。
- 児童相談所の一時保護には親権者の同意は必要でない。
- 里親に委託措置をする場合、親権者の同意は必要でない。
- 児童養護施設に入所措置する際、親権者の同意は必要でない。
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この過去問の解説 (2件)
01
・親権には、「財産管理権」と「身上監護権」があります。
財産管理権とは、民法824条で、「子の財産を管理し、子の財産に関する法律行為について代理する権利・義務」とあります。
・身上監護権とは、民法820条で、「子を監護・教育する権利・義務」とあります。具体的には、居所指定権(民法821条、子どもの住むところを決める権利)、懲戒権(民法822条、子どもを懲らしめることができる権利)、職業許可権(民法823条)があります。
・親権喪失:父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するとき(民法第834条)
・親権停止:父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき(民法第834条の2第1項)
1.→親権には、財産管理権が含まれますので、1は誤りです。
2. →民法には親権喪失及び親権停止が規定されているので、2は正しいです。
3.→児童相談所の一時保護については、児童虐待防止の観点から、民法にある「親権制限制度」の見直しが平成23年に行われ、平成24年に改正されました。親権を奪う以外の方法で虐待する親の親権を制限することができるようになりました。よって3は正しいです。
4.→里親制度は、子どもを育てられない親の代わりに家庭内で一時的に子どもを預かり養育する制度です。里親と子どもに法的関係はなく、実親が親権者となります。里親は親権者ではないので、居所指定権はありません。よって4は誤りです。
5.→児童養護施設に入所する際、親権者の同意は必要です。親権者が子の居住指定権を持っているため、外部の力で勝手に入所させることはできません。よって5は誤りです。
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02
【正解:2と3】
親権とは、父母が養育者としての立場からもっている権利義務の総称です。
権利義務を大別すると、「子の身上に関する権利義務」と「子の財産についての権利義務」の2つがあります。
親権について、民法の条文で具体的に規定しているものは、身上監護権(820条)、居所指定券(821条)、懲戒権(822条)、職業許可権(823条)、財産管理権(824条)があります。
1:上記より誤りです。
2:児童虐待のような親権の濫用があったとき、民法では、親権喪失や親権停止という制度が設けられています。
なお、“親権喪失”制度は親権を無制限に奪うもので、親子関係を取り戻すことは出来なくなります。ですから児童虐待の現場では、親の親権を制限したくても、親権喪失の申し立てはほぼ行われていませんでした。そこで平成23年に改正された民法では、従来の親権喪失に加え、最長2年と言う期限付きで親権を制限する“親権停止”制度が設けられました。
3:正しい記述です。
4:里親委託やファミリーホームへの入所などを行う場合は、親権者又は未成年後見人の同意が必要です。
5:選択肢4と同様に誤りです。なお、里親やファミリーホーム、児童福祉施設をまとめて「社会的養護」と言います。
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