公認心理師 過去問
第2回(2019年)
問138 (午後 問140)

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 問138(午後 問140) (訂正依頼・報告はこちら)

22歳の女性A。Aは職場での人間関係における不適応感を訴えて精神科を受診した。ときどき休みながらではあるが勤務は継続している。親と仲が悪いので2年前から単身生活をしているとのことである。公認心理師が主治医から心理的アセスメントとして、YG法、BDI-Ⅱ、WAIS-Ⅳの実施を依頼された。YG法ではE型を示し、BDI-Ⅱの得点は19点で希死念慮はない。WAIS-Ⅳの全検査IQは98であったが、言語理解指標と処理速度指標との間に大きな差があった。
公認心理師が引き続き行う対応として、最も適切なものを1つ選べ。
  • MMSEを実施する。
  • 田中ビネー知能検査Ⅴを追加する。
  • 家族から情報を収集したいとAに伝える。
  • 重篤なうつ状態であると主治医に伝える。
  • 生育歴についての情報をAから聴き取る。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は5です。

YG法は「YG性格検査」のことであり、E型とは「不安定不適応消極型」を表します。自分の殻に閉じこもりがちな性格傾向があります。

BDI-Ⅱは「ベック抑うつ尺度」のことであり、17~20点の間だと「臨床的な意味でのうつ状態との境界。専門家の治療必要」という結果になります。

また、WAIS-Ⅳで IQ = 98 であり、平均の知能を持っているといえます。ただ、言語理解指標と処理速度指標に大きな差があります。

1.→MMSEは認知症スクリーニング検査であり、IQ = 98 であることから認知機能には問題がないと思われるため、1は不適切です。

2.→WAIS-Ⅳで平均の域なので、知的障害を疑う必要はありません。田中ビネー知能検査Ⅴを追加する必要はありません。よって、2は不適切です。

3.→家族とは仲が悪くて単身生活をしているくらいですので、敢えて家族から情報を収集することを優先する前にやるべきことがあります。よって、3は不適切です。

4.→BDI-Ⅱの結果が19点なので、重篤なうつ状態とは考えにくいです。よって、4は不適切です。

5.→YG法で「不安定不適応消極型」を示しており、かつ、WAIS-Ⅳで検査指標にバラつきがみられることから、発達障害が疑われるので、まず生育歴をAから聴き取る必要があります。よって、5は適切です。

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02

【正解:5】

1:公認心理師法第42条第2項に“公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない”とあります。独断で心理検査を追加実施すべきではありません。

2:選択肢1と同じ理由で不適切です。

3:親と仲が悪い場合、安易に家族からの情報収集を提案すべきではありません。

4:BDI-Ⅱ(ベック抑うつ質問票)は21項目4件法の質問紙で、0点~63点の範囲で点数が示されます。重度のうつ病とされるのは29点~63点で、本事例(19点)はそこに含まれませんので不適切です。

5:正しい対応です。

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03

22歳の女性Aは、職場での人間関係における不適応感を訴えて精神科を受診しました。公認心理師が依頼された心理検査の結果から、心理的な特性や状態について一定の情報が得られています。この情報を基に、Aの背景や特性をさらに理解し、適切な対応を検討します。

選択肢1. MMSEを実施する。

MMSE(Mini-Mental State Examination)は、主に高齢者や認知症が疑われるケースで使用されるスクリーニング検査です。Aは22歳の若年層であり、認知症の疑いはありません。

選択肢2. 田中ビネー知能検査Ⅴを追加する。

田中ビネー知能検査Ⅴは知能全般を評価する検査ですが、すでにWAIS-Ⅳで認知機能が評価されており、追加で実施しても新たな情報を得られる可能性は低いです。

選択肢3. 家族から情報を収集したいとAに伝える。

家族からの情報収集は有用な場合がありますが、Aは「親と仲が悪い」と述べており、家族との関係が問題の一因となっている可能性があります。まずはA自身との信頼関係を構築し、Aからの情報収集を優先すべきです。

選択肢4. 重篤なうつ状態であると主治医に伝える。

BDI-Ⅱの得点は中等度であり、希死念慮も否定されています。重篤と判断するには該当する症状が不足しており、この選択肢は誤りです。

選択肢5. 生育歴についての情報をAから聴き取る。

Aは職場での不適応感や親との不仲を抱えており、これらの背景には過去の生育歴や経験が影響している可能性があります。また、WAIS-Ⅳで示された認知機能のアンバランスも、生育環境や教育歴と関連している可能性があります。

 

生育歴の聴き取りは、Aの心理状態や特性を包括的に理解し、適切な支援計画を立てるための重要な基盤となります。Aのペースを尊重しながら、生育歴やこれまでの経験について丁寧に聴き取ることが、最も優先すべき対応です。

まとめ

生育歴を聴き取る際は、Aが話しやすい雰囲気を作ることが重要です。親との不仲が問題に含まれている場合、Aが感じている困難を尊重し、必要に応じてカウンセリングや心理教育につなげることも検討します。信頼関係を築きながら進めることで、Aにとって有益なサポートが可能となります。

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