公認心理師 過去問
第2回(2019年)
問146 (午後 問148)
問題文
30歳の女性A、会社員。ストレスチェックの結果、高ストレス者に該当するかどうかを補足的な面接で決定することになり、公認心理師がAの面接を行った。Aのストレスプロフィールは以下のとおりであった。「心理的な仕事の負担」は低い。「技能の活用度」、「仕事の適性度」及び「働きがい」が低い。「職場の対人関係のストレス」が高い。「上司からのサポート」と「同僚からのサポート」が低い。ストレス反応では、活気に乏しく疲労感と抑うつ感が高い。「仕事や生活の満足度」と「家族や友人からのサポート」が低い。
ストレスプロフィールを踏まえ、面接で把握すべき事項として、最も優先度の低いものを1つ選べ。
ストレスプロフィールを踏まえ、面接で把握すべき事項として、最も優先度の低いものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第2回(2019年) 問146(午後 問148) (訂正依頼・報告はこちら)
30歳の女性A、会社員。ストレスチェックの結果、高ストレス者に該当するかどうかを補足的な面接で決定することになり、公認心理師がAの面接を行った。Aのストレスプロフィールは以下のとおりであった。「心理的な仕事の負担」は低い。「技能の活用度」、「仕事の適性度」及び「働きがい」が低い。「職場の対人関係のストレス」が高い。「上司からのサポート」と「同僚からのサポート」が低い。ストレス反応では、活気に乏しく疲労感と抑うつ感が高い。「仕事や生活の満足度」と「家族や友人からのサポート」が低い。
ストレスプロフィールを踏まえ、面接で把握すべき事項として、最も優先度の低いものを1つ選べ。
ストレスプロフィールを踏まえ、面接で把握すべき事項として、最も優先度の低いものを1つ選べ。
- 労働時間を尋ねる。
- 休日の過ごし方を尋ねる。
- キャリアの問題を抱えていないか尋ねる。
- 上司や同僚との人間関係について尋ねる。
- 疲労感と抑うつ感は、いつ頃から自覚し始め、どの程度持続しているのかを尋ねる。
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この過去問の解説 (3件)
01
選択肢を、ストレスプロフィールを照らし合わせながら考えていきます。
1:「心理的な仕事の負担」は低いわけですから、労働時間を尋ねることの優先度が高いとは言えません。
2:「仕事や生活の満足度」が低いので、休日の過ごし方を尋ねることは必要でしょう。
3:「仕事の適性度」や「働きがい」が低いので、キャリアの問題を抱えている可能性があります。
4:「上司や同僚からのサポート」が低いことから、彼らとの人間関係を尋ねる必要があるでしょう。
5:「疲労感」や「抑うつ感」が高いとありますから、これらの項目について質問することは優先度が高いと言えます。具体的には、持続期間や、1日の中での変化などを尋ねる必要があります。
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02
正答は1です。
1 「心理的な仕事の負担」とは、業務の量的負担及び質的負担(求められる注意・集中の程度や難易度の高さ等)を表します。これらの項目が高い場合は、業務負担が高く、多くの時間外労働が発生している可能性が窺えるため、労働時間を尋ねます。
しかし、「心理的な仕事の負担」が低いとの結果であるため、他の選択肢に比べると優先度は高くないと考えられます。
2 「仕事や生活の満足度」が低いことから、仕事以外の問題(プライベートの問題)を抱えている可能性が考えられます。また、「家族や友人からのサポート」が低く、職場外にストレスの緩衝要因となるような資源が少ないことが窺えます。そのため、休日の過ごし方という切り口からプライベートの様子を把握することは有効であると考えられます。
3 「技能の活用度」「仕事の適性度」「働きがい」が低いことから、自身のスキルが仕事で活かされていない、この仕事は自分には向いていないなどと考え、働きがいを感じにくくなっている状態であることが窺えます。そのため、キャリアの問題に関する事項は把握すべきであると言えます。
4 「職場の対人関係のストレス」が高く、職場において対人関係の問題を抱えていることが考えられます。さらに、「上司からのサポート」と「同僚からのサポート」が低く、孤立状態になっていることも懸念されます。職場内の人間関係について質問し、ストレス要因や緩衝要因となり得る資源を把握することは重要であると言えます。
5 疲労感と抑うつ感が高いとの結果が出ているため、心身の状態(不調)について質問し、詳細を把握しておくことは重要です。
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03
本事例は、ストレスチェックにおいて高ストレス者に該当する可能性がある30歳の女性Aが、公認心理師による補足的な面接を受けたケースです。Aのストレスプロフィールからは、職場の対人関係のストレスが高く、上司や同僚からのサポートが低いことが確認され、これが主なストレス要因と推察されます。また、疲労感や抑うつ感が高く、心理的なサポートや対策が求められる状況です。本問では、面接において把握すべき事項の優先順位について考えます。
労働時間の長さはストレスの一因になることがあります。しかし、Aのストレスプロフィールでは「心理的な仕事の負担」が低いと示されており、過重労働がストレスの主因である可能性は低いと考えられます。そのため、労働時間を尋ねる優先順位は他の項目よりも低いと判断されます。
休日の過ごし方を尋ねることは、Aがどのようにストレスを解消し、リフレッシュしているかを把握するのに役立ちます。ただし、本事例では「職場の対人関係のストレス」が主な要因であることから、休日の過ごし方を知ることは直接的な解決には結びつきにくく、優先順位は低めです。
Aのストレスプロフィールでは、「技能の活用度」「仕事の適性度」「働きがい」が低いことが確認されています。これらは仕事に対する満足感やキャリアの悩みに関連する可能性が高く、ストレスの原因の一つであると考えられます。そのため、キャリアに関する問題を確認することは優先度が高いと言えます。
Aのストレスプロフィールでは、「職場の対人関係のストレス」が高く、「上司からのサポート」と「同僚からのサポート」が低いことが明らかになっています。このことから、職場の人間関係がAの主なストレスの原因であると考えられるため、この項目について詳しく尋ねることは非常に重要で、優先順位は高いです。
Aのストレス反応では「活気に乏しく」「疲労感」と「抑うつ感」が高いことが確認されています。これらの症状の発生時期や持続期間を確認することは、Aの心理的状態を適切に把握し、支援や対応方法を検討するうえで必要な情報となります。そのため、この項目は優先順位が高いと判断されます。
労働時間に関する質問は、Aのストレスプロフィールから過重労働の影響が小さいと推測されるため、他の項目に比べて優先度が低いと考えられます。この点を踏まえ、「労働時間を尋ねる」が正答となります。
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