公認心理師 過去問
第2回(2019年)
問147 (午後 問149)

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 問147(午後 問149) (訂正依頼・報告はこちら)

14歳の女子A、中学2年生。Aは、クラスメイトのBが複数の生徒から無視されたり、教科書を隠されるなどの嫌がらせを受けたりしていることをスクールカウンセラーに相談した。Aはこのような状況を何とかしてほしいが、自分が相談したことは内緒にしてほしいと強く希望している。
現時点でのスクールカウンセラーの対応として、不適切なものを1つ選べ。
  • Bから詳しい事情を聞く。
  • Aが相談に来た勇気を認める。
  • Aの承諾を得て、担任教師に連絡する。
  • Aからいじめの事実について詳しく聞く。
  • 客観的に状況を把握するために、クラスの様子を見に行く。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、1です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→Bから詳しい事情を聞くことは、この時点では時期尚早です。
まずは、Aとの関係性の構築や情報収集が必要です。
よって選択肢は、誤りです。

2→相談に来るだけでもクライアントには勇気がいることであるため、それを認めてあげることは必要です。ラポール形成にもつながります。
よって選択肢は、正しいです。

3→学校として対応する必要があるため、担任とも情報を共有することは大切です。
よって選択肢は、正しいです。

4→Aから詳細を聞くことは、今後の支援を検討するうえでも重要となってきます。
その場合、Aの心情に配慮しつつ、慎重に行うべきでもあります。
よって選択肢は、正しいです。

5→客観的な情報を得るためにも有効な方法です。
よって選択肢は、正しいです。

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02

正答は1です。

1 Aの「自分が相談したことは内緒にしてほしいと強く希望している」という心情への配慮に留意する必要があると考えられます。まずは、周辺情報を集めて検討していくことが重要であり、現時点では適しているとは言えません。

2 相談したことを受け止めて評価することは、Aに安心感を持たせ、良好な関係を築くことにもつながるため、対応としては適切であると言えます。

3 Aの承諾を得ることが前提ですが、学校として対応していくために、担任教師と連携を図ることは必要であると考えられるため、適切な対応と言えます。

4 まずは、いじめに関する事実確認、事実把握が重要となります。その方法として、Aから詳細な話を聞くことは有効であると言えます。

5 Aからの話に加え、クラスの様子を観察することは、客観的情報を得る上では有用であるため、適切な対応と言えます。

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03

本事例は、中学2年生の女子生徒Aが、同じクラスのBに対するいじめの実態をスクールカウンセラーに相談したケースです。Aは「Bが無視される」「教科書を隠される」といった嫌がらせを目撃し、状況を改善したいと願う一方で、「自分が相談したことを内緒にしてほしい」と強く希望しています。このような場合、スクールカウンセラーはAの信頼関係を維持しながら、いじめの状況を慎重に把握し、適切な対応を進めることが求められます。本問では、現時点で不適切と判断される対応を選ぶ問題です。

選択肢1. Bから詳しい事情を聞く。

Bがいじめの対象になっている可能性は高いですが、現時点ではAからの情報に基づいた段階であり、Bに直接詳しい事情を聞くことは慎重を要します。Bに話を聞く際は、その内容がさらにいじめを助長したり、Bが心理的な負担を感じたりするリスクがあるため、まずは周囲の状況を把握し、Aや関係者との連携を優先するべきです。現時点でBから事情を聞くのは不適切と言えます。(不適切な対応)

選択肢2. Aが相談に来た勇気を認める。

Aがいじめの相談をしたことには大きな勇気が必要であり、その行動を認めることはAとの信頼関係を築くうえで重要です。Aが安心して相談できる環境を作ることは、スクールカウンセラーの基本的な対応として適切です。

選択肢3. Aの承諾を得て、担任教師に連絡する。

いじめ問題は学校全体で対応すべき重要な課題であり、担任教師をはじめとした学校の関係者と情報共有することは適切な対応です。ただし、Aが「内緒にしてほしい」と強く希望しているため、情報共有に関してはAの了承を得た上で行うことが必要です。この対応は適切です。

 

選択肢4. Aからいじめの事実について詳しく聞く。

Aからいじめの状況を詳しく聞くことは、問題解決の第一歩として必要な対応です。ただし、Aが話しやすい雰囲気を作り、心理的な負担をかけないよう配慮することが求められます。この対応は適切です。

選択肢5. 客観的に状況を把握するために、クラスの様子を見に行く。

クラスの様子を観察することは、いじめの状況を客観的に把握するための重要な手段です。教室内の生徒の関係性や環境を注意深く観察し、問題の背景を理解することは、適切な対応につながります。

まとめ

Aの相談を受けた現時点では、いじめの情報はAから提供されたものであり、Bに直接詳しい事情を聞くことは慎重を要します。Bに事情を尋ねることで心理的負担を与えたり、さらにいじめを助長するリスクがあるため、まずはAや周囲の状況を基に問題を整理し、慎重に進めるべきです。現時点でBから事情を聞くのは不適切な対応と言えます。

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