公認心理師 過去問
第2回(2019年)
問151 (午後 問153)

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問題

公認心理師試験 第2回(2019年) 問151(午後 問153) (訂正依頼・報告はこちら)

85歳の男性A。Aは一人暮らしで、介護保険は申請しておらず、認知症の診断もされていない。しかし、身辺自立はしているものの、室内の清掃が行き届かず、物を溜め込みがちであるので、地域ケア会議で、ホームヘルパーによる清潔管理を行っていく方針を取り決め、実施していた。ヘルパーを受け入れているようにみえたが、2か月が経過した頃、Aからホームヘルパーの利用を終わりにしたいと突然申出があった。
地域包括支援センターの対応として、適切なものを2つ選べ。
  • 基本チェックリストの再確認
  • グループホームへの入居の提案
  • 小規模多機能型居宅サービスの利用
  • 地域ケア会議での支援方法の再検討
  • 定期巡回・随時対応型訪問サービスの利用

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、1と4です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→2か月続いていたホームヘルパーをやめたいとの申し出があったことから、Aに何らかの変化があったと考えられます。
そのため、再アセスメントを行う必要があり、そのツールの1つとして基本チェックリストを用いるのは適切です。
そして、場合によっては、介護保険の申請を検討する必要があります。
よって選択肢は、正しいです。

2→Aからは入居の希望等も出ていません。
また、Aは現在、介護保険が未申請であることからも、この時点で入居を提案するのは時期尚早です。
よって選択肢は、誤りです。

3→Aは、介護保険未申請のため、小規模多機能型居宅サービスは利用できません。
利用の必要がある場合は、まずは、介護保険を申請し、介護認定を受ける必要があります。
よって選択肢は、誤りです。

4→以前に開催した地域ケア会議の時とAの状況が変わっていると思われます。
よって、再度、地域ケア会議を開催し、現在のAの状態や課題をメンバー間で共有する必要があります。
よって選択肢は、正しいです。

5→Aは、介護保険未申請のため、定期巡回・随時対応型訪問サービスは利用できません。
利用の必要がある場合は、まずは、介護保険を申請し、介護認定を受ける必要があります。
よって選択肢は、誤りです。

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02

正答は1と4です。

「ヘルパーを受け入れているようにみえたが、2か月が経過した頃、Aからホームヘルパーの利用を終わりにしたいと突然申出があった」との記載から、Aの状態あるいは周囲の状況に変化が生じていると考えられます。そのため、Aに関する情報を再度集めて、対応方針を再検討していく必要性があると考えられます。

そうした観点から考えると、(1)基本チェックリスト(生活機能の低下のおそれがある高齢者を把握するためのツール)の再確認による情報収集や、(4)地域包括支援センターによる地域ケア会議にて、多職種の視点から支援方針を再検討することが望ましい対応であると考えられます。

なお、Aは介護保険を申請していないため、(2)・(3)・(5)のような介護保険適用の介護サービスを受けることができない状態です。こうしたサービスを利用するためには、「要介護認定」の申請を行ない、認定される必要があります。

なお、(3)小規模多機能型居宅介護とは、通所を中心に、短期間の宿泊や自宅への訪問を組み合わせる介護サービスのことを言います。

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03

本事例は、85歳の男性Aが一人暮らしをしている中で、物を溜め込みがちで清掃が行き届かない状況に対して、地域ケア会議でホームヘルパーの清掃支援を実施していたケースです。しかし、2か月後にAが突然利用を中止したいと申し出たため、地域包括支援センターとしてどのような対応が適切かを問うています。支援の中止の理由やAのニーズの変化を丁寧に確認し、必要に応じて支援方法を再検討することが重要です。

選択肢1. 基本チェックリストの再確認

基本チェックリストは、高齢者の生活機能を評価し、支援の必要性を確認するためのツールです。Aは介護保険を申請していないため、要支援や要介護認定が必要かどうかを判断する上で、基本チェックリストの再確認を行うことは適切です。これにより、Aの生活状況や支援ニーズを再評価し、適切なサービス提供のための基礎情報を得られます。

選択肢2. グループホームへの入居の提案

グループホームは、認知症の診断があり、要支援2以上の要件を満たす場合に利用可能な施設です。本事例では、Aは認知症の診断もされておらず、要支援・要介護認定も受けていないため、現時点でグループホームへの入居を提案するのは適切ではありません。

選択肢3. 小規模多機能型居宅サービスの利用

小規模多機能型居宅サービスは、通所・訪問・泊まりの機能を柔軟に組み合わせたサービスですが、これを利用するには要支援または要介護認定が必要です。本事例では、Aは介護保険を申請しておらず要支援認定を受けていないため、現時点では適用外となります。この選択肢は不適切です。

選択肢4. 地域ケア会議での支援方法の再検討

Aがホームヘルパーの利用を中止したいと申し出た理由を明らかにし、今後の支援方法を再検討するためには、地域ケア会議で関係者と協議することが重要です。Aの生活状況や希望を尊重しながら、適切な支援策を見直す対応は適切です。

選択肢5. 定期巡回・随時対応型訪問サービスの利用

定期巡回・随時対応型訪問サービスは、要介護者向けの在宅支援サービスであり、要介護認定が利用条件となります。本事例では、Aは要介護認定を受けていないため、現時点では利用できません。この選択肢は不適切です。

まとめ

Aの状況を再評価し、必要な支援を継続・調整するためには、基本チェックリストを用いて支援の必要性を確認することや、地域ケア会議での支援方法の再検討が適切です。一方で、介護認定が必要なサービスや施設(グループホーム、小規模多機能型居宅サービス、定期巡回サービス)は、現時点では不適切となります。

 

 

 

 

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