公認心理師 過去問
第3回(2020年)
問31 (午前 問31)

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 問31(午前 問31) (訂正依頼・報告はこちら)

抗精神病薬を長期間投与された患者に多くみられる副作用のうち、舌を突出させたり、口をもぐもぐと動かしたりする動きが特徴的な不随意運動として、正しいものを1つ選べ。
  • バリズム
  • アカシジア
  • ジストニア
  • ジスキネジア
  • ミオクローヌス

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

各選択肢については以下の通りです。

1.バリズム:上肢または下肢を投げだすような振幅が大きく激しい動きをします。原因としては脳血管障害が多いですが、高血糖でも生じることがあります。

2.アカシジア:じっとしていられず、落ち着かなくなる症状です。

3.ジストニア:顔や首が強くこわばる、首が反り返る、眼が上を向いたまま正面を向かない、舌が出たままになる、ろれつがまわらない、体が傾く、手足が突っ張るなどの症状です。

4.ジスキネジア:抗精神病薬などを長期間服用していると、設問文にあるような症状が起こります。

5.ミオクローヌス:筋肉や筋肉群で見られる素早い筋肉収縮作用です。一部の抗うつ薬を使用したときに見られる副作用です。

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02

正答は4です。

1 バリズムとは、体幹に近い部分で起こる急速で激しい不随意運動であり、上下肢全体を投げ出すような動きが見られます。

2 アカシジアとは、座ったままでじっとしていられず、足がむずむずする感じがしたり、そわそわと動き回ったりする状態を指します。

3 ジストニアとは、身体の筋肉が異常に緊張し、筋肉が強くこわばるなどの症状が現れることを言います。

4 ジスキネジアとは、舌を突出させたり、口をもぐもぐと動かしたりするなど、主に口や顔の筋肉に出現する不随意運動のことです。よって、正しいです。

5 ミオクローヌスとは、筋肉や筋肉群が不随意的に、電気に打たれたかのように素早く収縮することを指します。

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03

抗精神病薬の長期使用に伴う副作用の一つに、不随意運動が挙げられます。

これには、舌の突出や口をもぐもぐと動かす特徴的な症状が含まれます。

この症状は、主に抗精神病薬が脳内のドーパミン神経系に影響を与えることで生じる遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia)の一部です。本問題では、この不随意運動に該当する症状名を正しく選ぶ必要があります。

以下、各選択肢を検討します。

選択肢1. バリズム

バリズムは、四肢の大きく激しい不随意運動を特徴とする症状で、主に視床下核の損傷や異常に起因します。抗精神病薬による副作用としては典型的ではなく、舌の突出や口の動きとは関係がありません。

この選択肢は不適切です。

選択肢2. アカシジア

アカシジアは、静坐不能とも呼ばれ、不安感や落ち着かなさを伴う症状で、じっと座っていられない、絶えず体を動かしたいという衝動が特徴です。抗精神病薬の副作用としてみられることがありますが、舌の突出や口をもぐもぐと動かす動きとは異なります。

この選択肢は不適切です。

選択肢3. ジストニア

ジストニアは、筋肉の異常収縮によって体の一部がねじれたり、異常な姿勢をとったりする症状を指します。急性ジストニアは抗精神病薬の副作用として見られることがありますが、舌の突出や口の動きといった遅発性の不随意運動とは異なります。この選択肢は不適切です。

選択肢4. ジスキネジア

ジスキネジア(特に遅発性ジスキネジア)は、抗精神病薬の長期使用に伴う副作用としてよく知られています。舌の突出、口をもぐもぐと動かす動作、顔面の異常な動きなどの特徴的な不随意運動が見られます。この症状は、ドーパミン神経系への慢性的な影響が原因とされています。

この選択肢は適切です。

 

選択肢5. ミオクローヌス

ミオクローヌスは、体の一部の筋肉が瞬間的に収縮する症状を指します。

これは抗精神病薬の典型的な副作用ではなく、舌の突出や口を動かす特徴的な不随意運動とは異なります。

この選択肢は不適切です。

まとめ

抗精神病薬の長期使用による副作用として、舌の突出や口をもぐもぐと動かす不随意運動は遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia)として知られています。これはドーパミン神経系への影響によるもので、選択肢の中で正しいものは ジスキネジアです。

他の選択肢(バリズム、アカシジア、ジストニア、ミオクローヌス)は、異なる症状を表しており、不適切です。

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