公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午前 問47
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問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午前 問47 (訂正依頼・報告はこちら)
知覚や意識について、誤っているものを1つ選べ。
- 共感覚は、成人より児童に生じやすい。
- 幻覚は、意識清明時にも意識障害時にも生じる。
- 入眠時幻覚がみられる場合は、統合失調症が疑われる。
- 事故などで、四肢を急に切断した場合、ないはずの四肢の存在を感じることがある。
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この過去問の解説 (2件)
01
正答は3です。
1 共感覚とは、1つの感覚刺激から複数の知覚が自動的に生じる現象を指し、音や文字に色が見える、味や匂いに形を感じるなどの例が挙げられます。
共感覚のメカニズムは明確にはなっていませんが、仮説のひとつとして、子どもは感覚を個別に処理する機能が未熟であり、1つの刺激に対して複数の感覚が混在することで共感覚が生じるという説があります。こうした仮説も含め、一般的には成人よりも児童の方が生じやすいと考えられており、選択肢は正しいです。
2 幻覚とは、実際には存在しない知覚や感覚を体験することを指します。
幻覚は意識清明時にも意識障害時にも生じるとされており、例えば、統合失調症による幻覚は意識清明時に起こる幻覚とされ、せん妄(突然発症する精神障害)による幻覚は意識障害時に起こる幻覚とされています。そのため、選択肢は正しいです。
3 入眠直後に幻覚を体験することは、ナルコレプシーの主な症状に挙げられます。「統合失調症が疑われる」との記述は誤りとなります。
4 幻肢と呼ばれる、事故や病気などで失った存在しない手足が依然としてそこに存在するかのように感じるという症状が生じることがあり、選択肢は正しいです。
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02
正解は3です。
各選択肢については以下の通りです。
1 共感覚とは、文字や数字に色が付いて見えたり、音を聞くと色が見えたりするなど、ある刺激に対して、通常の感覚に加えて別の感覚が無意識に生じる現象のことです。主観的なものなので、他人は気づくことが困難です。
どの年齢にも起こりうるため年齢は関係ありませんが、成人より児童に生じやすいです。よって、選択肢の内容は正しいです。
2 幻覚は、認知症などで意識が混濁している(つまり意識障害)時に起こりやすいのですが、統合失調症やアルコール依存症では意識清明時に幻覚を生じることがあります。よって、選択肢の内容は正しいです。
3 入眠時幻覚とは、入眠後すぐに幻覚を見ることです。入眠時幻覚の詳しい原因はよくわかっていませんが、アルコール、ストレス、不眠などが原因であると考えられています。
統合失調症の患者で入眠時幻覚が生じることはしばしばありますが、健康な人にも見られることがあります。
入眠時幻覚があるからといって、必ずしも統合失調症であるとは言えません。よって選択肢の内容は誤りです。
4 事故などで四肢を急に切断した場合、ないはずの四肢の存在を感じることがあります。これを幻覚のひとつである「幻肢」といいます。また、ないはずの四肢が痛むような感覚に陥ることを幻肢痛と言います。よって選択肢の内容は正しいです。
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