公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午前 問46

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問題

公認心理師試験 第3回(2020年) 午前 問46 (訂正依頼・報告はこちら)

合理的配慮について、適切なものを1つ選べ。
  • 公平性の観点から、入学試験は合理的配慮の適用外である。
  • 合理的配慮の対象は、障害者手帳を持っている人に限られる。
  • 合理的配慮によって取り除かれるべき社会的障壁には、障害者に対する偏見も含まれる。
  • 発達障害児がクールダウンするために部屋を確保することは、合理的配慮には含まれない。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は3です。

合理的配慮については、国連の『障害者の権利に関する条約』において、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整」と定義されています。

各選択肢については以下の通りです。

1 例えば視覚障害者のために問題文を拡大して読むことができるルーペの使用が配慮事項として明記されている国家試験や入学試験などが存在しています(公認心理師試験においても配慮がなされています)。問題の内容等は改変されておらず、障害を持った受験生が他のものと平等に受験することが担保される配慮です。よって、選択肢は不適切です。

2 医師の診断書が必要な場合はありますが、障害者手帳の有無にかかわらず配慮を受けることが可能です。よって、選択肢は不適切です。

3 合理的配慮によって取り除かれるべき社会的障壁には、社会における事物(通行や利用しにくい施設、設備など)、制度(利用しにくい制度など)、慣行(障害者を意識していない慣習、文化など)、観念(障害者への偏見など)があります。よって、選択肢は適切です。

4 発達障害児は、社会生活において不適応を起こすことでパニックになります。その不適応を取り除くためにクールダウンをする部屋を用意し、生活をしやすい環境を作ります。これは合理的配慮と言えますので、選択肢は不適切です。

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02

正答は3です。

合理的配慮とは、障害のある方から助けを求める意思を伝えられた場合、支障となっている事情を取り除くために過度な負担になり過ぎない範囲で対応することを指します。

障害の有無によって分け隔てられることなく、共生することができる社会の実現のために、不当な差別的取扱いを禁止し、合理的配慮を提供することが求められています。

1 入学試験においても、本人や保護者の希望や障害の状況を踏まえて、別室受験、点字や音声読み上げ機能の使用を認めるなど、公平な評価を受けるために合理的配慮がなされています。したがって、不適切となります。

2 適切な配慮を検討するために医師の意見書や障害者手帳など根拠となる資料の提供が求められる場合はありますが、対象は障害者手帳を持っている方などに限定されてはいません。したがって、不適切となります。

3 冒頭に記載しましたが、障害の有無で分け隔てられることなく共生することができる社会の実現のために、障害を持つ方への不当な差別的取扱いを禁止するとされています。社会的障壁には、設備や制度のほかに、偏見などの観念も含まれており、記述は適切と言えます。

4 感情や行動のコントロールが難しいときに、クールダウンするためのスペースを確保しておくことは、発達障害を持つ子どもにとって過ごしやすい環境であり、合理的配慮の例として挙げられます。したがって、不適切となります。

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