公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午前 問45

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は4です。

1 要因統制とは、従属変数の変化が独立変数以外の要因で生じないように統制することを指します。

要因統制に基づいた実験的な研究はエビデンスが高くなりますが、心理療法やカウンセリングにおいて、必ずしもこうした研究デザインが組めるものばかりではなく、事例研究なども認められるものと考えられます。したがって、「必須である」との部分が誤りとなります。

2 一事例実験とは、1人の被験者を対象に介入を行い、その前後の反応や変化に基づいて介入の有効性を調べるアプローチです。

因子分析は、観測可能な変数から直接観測できない要因を明らかにする分析手法であり、介入前後の反応を評価するには適していないため、誤りとなります。

3 特定の心理療法の効果を研究するのであれば、心理療法の実施・未実施ではなく、特定の心理療法を行う実験群と、実験群とは別の治療法・従来の治療法を行う統制群で比較することが考えられます。したがって、誤りとなります。

なお、研究のために心理療法を施さないといった未治療群を設けることには倫理的な問題があり、一定期間待機させた後に心理療法を施すなどの配慮を行うことなどが望ましいと考えられます。

4 記述の通りです。メタ分析とは、複数の(同じテーマに関する)研究結果を統合して、統計学的に意味のある結果が得られているかを分析する方法であり、複数の効果研究について、効果サイズを算出することが可能です。

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02

正解は4です。

各選択肢については以下の通りです。

1.効果研究とは、臨床的な治療・介入が本当に効果があるのかということを量的に検討する研究をいいます。事例研究などもエビデンスのレベルは低いとはいえ、効果研究に含めることができます。このことから、要因統制に基づく実験的な研究であることが必ずしも必須であるとはいえません。よって選択肢は不適切です。

2.一事例実験とは、対象者に対して独立変数(介入)を系統的に操作し、従属変数(症状)の変化を検討する方法です。因子分析は用いません。よって選択肢は不適切です。

3.特定の心理療法を行う実験群と、別の心理療法を行う統制群を設定する場合はあります。よって、選択肢は不適切です。

4.メタ分析では、ある介入法に関する複数の効果研究について、介入群と統制群との症状等の差異を標準化し、効果サイズを算出します。よって、選択肢は適切です。

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