公認心理師の過去問
第3回(2020年)
午後 問154
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
公認心理師試験 第3回(2020年) 午後 問154 (訂正依頼・報告はこちら)
中学校の担任教師A。Aは、同じ部活動の女子中学生3名について、スクールカウンセラーBに、次のように相談した。3名は、1か月ほど前から教室に入ることができずに会議室で勉強しており、Aが学習指導をしながら話を聞いていた。先日、生徒たちの表情も良いため、教室に入ることを提案すると、3名は「教室は難しいが、放課後の部活動なら見学したい」と言った。早速、Aが学年教師の会議で報告したところ、他の教師から「授業に参加できない生徒が部活動を見学するのは問題があるのではないか」との意見が出された。
この場合のBの対応として、適切なものを2つ選べ。
この場合のBの対応として、適切なものを2つ選べ。
- 部活の顧問と話し合う。
- Aに援助チームの構築を提案する。
- Bが学年教師の会議に参加して話し合う。
- 学年教師の会議の意見に従うようAに助言する。
- Aがコーディネーターとして機能するように助言する。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正解:2・3
校内で生徒の対応についての意見が食い違っているときに、スクールカウンセラーとしてどう対応するかを考える問題です。
1、学年の意見を無視して、部活の顧問に働きかけてしまうと、学年教師の中でAの立場が悪くなる可能性もありますから、不適切です。
2、適切です。
このケースはAが一人で対応しています。Aはキーパーソンではありますが、そのAを支え、「チーム学校」として対応していくことは適切です。
3、適切です。
スクールカウンセラーも「チーム学校」の一員ですから、学年教師の会議にBが参加するのは適切です。
4、Aは、生徒の希望と学年教師の意見の間で板挟みになっており、困っていますから、この助言は不適切です。
5、A自身がコーディネートできずに困っているため、この助言は不適切です。
参考になった数51
この解説の修正を提案する
02
正答は、2と3です。
スクールカウンセラーの活動内容として、生徒と保護者のカウンセリング、教師へのコンサルテーションに加えて、保護者を対象とした教育講演会の講師、教師を対象とした研修活動、学年会への参加、委員会への参加などがあります。
スクールカウンセラーは、「チームとしての学校」の一員ですので、責任をもってチームに参加をすることが求められます。
1.スクールカウンセラーBは、担任教師Aから相談を受けていますので、担任教師Aに対してコンサルテーションを行うことが必要です。
2.上記の解説のとおりです。
「Aに援助チームの構築をしてもらうように、BがAに提案する」という対応は適切です。
3.上記の解説のとおりです。
4.「チームとしての学校」を構築することが必要ですので、「学年教師の会議の意見に従うように」という判断を、スクールカウンセラーBが行うことは、適切ではありません。
5.Aはコーディネーターではありません。
「チームとしての学校」の理念として、2015年 中央教育審議会からの「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」を理解しておく必要があります。
教師やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど多職種が連携して、「チームとしての学校」を構築することが求められます。
Aは教師ですので、責任をもって、教育指導・生徒指導をする立場にあります。
そのAに対して、スクールカウンセラーBが、コーディネーターの機能をするよう求めることは、適切ではありません。
参考になった数19
この解説の修正を提案する
03
正解は2と3です。
スクールカウンセラーが、どのように「チーム学校」の一員としてはたらきかけるか、ということが問われる問題です。
1.→部活の顧問と直で話し合うだけでは、他の教員を敵に回すことになりかねません。あくまでスクールカウンセラーは「チーム学校」の一員であることが求められます。よって、1は適切ではありません。
2.→Aに援助チームの構築を提案することは、Aを中心に女子中学生3人への対応について、1人ではなくチームで考えることにつながります。よって、2は適切です。
3.→Aのサポートとして、スクールカウンセラーBも一緒に学年教師の会議に参加して話し合うことは有効です。よって、3は適切です。
4.→学年教師の会議の意見に従うようにAに助言することは、Aを孤立させることにつながりますし、そもそもスクールカウンセラーが「学年教師の会議の意見に従うように」と助言することは適切ではありません。よって、4は不適切です。
5.→Aは「チーム学校」のコーディネーター役ではありません。Aは教師ですので、教育指導や生徒指導を行なう役割を担っています。また、スクールカウンセラーBが「Aがコーディネーターとして機能するよう助言」というのが不適切です。よって、5は不適切です。
参考になった数11
この解説の修正を提案する
前の問題(問153)へ
第3回(2020年)問題一覧