問題
この場合のBの対応として、適切なものを2つ選べ。
正解:2・3
校内で生徒の対応についての意見が食い違っているときに、スクールカウンセラーとしてどう対応するかを考える問題です。
1、学年の意見を無視して、部活の顧問に働きかけてしまうと、学年教師の中でAの立場が悪くなる可能性もありますから、不適切です。
2、適切です。
このケースはAが一人で対応しています。Aはキーパーソンではありますが、そのAを支え、「チーム学校」として対応していくことは適切です。
3、適切です。
スクールカウンセラーも「チーム学校」の一員ですから、学年教師の会議にBが参加するのは適切です。
4、Aは、生徒の希望と学年教師の意見の間で板挟みになっており、困っていますから、この助言は不適切です。
5、A自身がコーディネートできずに困っているため、この助言は不適切です。
正答は、2と3です。
スクールカウンセラーの活動内容として、生徒と保護者のカウンセリング、教師へのコンサルテーションに加えて、保護者を対象とした教育講演会の講師、教師を対象とした研修活動、学年会への参加、委員会への参加などがあります。
スクールカウンセラーは、「チームとしての学校」の一員ですので、責任をもってチームに参加をすることが求められます。
1.スクールカウンセラーBは、担任教師Aから相談を受けていますので、担任教師Aに対してコンサルテーションを行うことが必要です。
2.上記の解説のとおりです。
「Aに援助チームの構築をしてもらうように、BがAに提案する」という対応は適切です。
3.上記の解説のとおりです。
4.「チームとしての学校」を構築することが必要ですので、「学年教師の会議の意見に従うように」という判断を、スクールカウンセラーBが行うことは、適切ではありません。
5.Aはコーディネーターではありません。
「チームとしての学校」の理念として、2015年 中央教育審議会からの「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)」を理解しておく必要があります。
教師やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど多職種が連携して、「チームとしての学校」を構築することが求められます。
Aは教師ですので、責任をもって、教育指導・生徒指導をする立場にあります。
そのAに対して、スクールカウンセラーBが、コーディネーターの機能をするよう求めることは、適切ではありません。
正解は2と3です。
スクールカウンセラーが、どのように「チーム学校」の一員としてはたらきかけるか、ということが問われる問題です。
1.→部活の顧問と直で話し合うだけでは、他の教員を敵に回すことになりかねません。あくまでスクールカウンセラーは「チーム学校」の一員であることが求められます。よって、1は適切ではありません。
2.→Aに援助チームの構築を提案することは、Aを中心に女子中学生3人への対応について、1人ではなくチームで考えることにつながります。よって、2は適切です。
3.→Aのサポートとして、スクールカウンセラーBも一緒に学年教師の会議に参加して話し合うことは有効です。よって、3は適切です。
4.→学年教師の会議の意見に従うようにAに助言することは、Aを孤立させることにつながりますし、そもそもスクールカウンセラーが「学年教師の会議の意見に従うように」と助言することは適切ではありません。よって、4は不適切です。
5.→Aは「チーム学校」のコーディネーター役ではありません。Aは教師ですので、教育指導や生徒指導を行なう役割を担っています。また、スクールカウンセラーBが「Aがコーディネーターとして機能するよう助言」というのが不適切です。よって、5は不適切です。