公認心理師の過去問 第4回(2021年) 午前 問4
この過去問の解説 (2件)
正答は5です。
1.構成心理学は、精神現象を要素に分け、要素を結合して心的現象を説明しようとする心理学のことです。
構成心理学は、要素心理学ともいわれます。
W. M. Wundtは、1879年にLeipzig大学に初めて心理学実験室を開設しましたが、Wundtは意識を「要素」に還元できると考えました。
Wundtの弟子のE. B. Titchenerは、Wundt心理学をアメリカに持ち帰り、構成主義として発展させました。
2.比較心理学は、ヒトと動物を比較することにより、ヒトの進化の過程と、ヒトの「こころ」を理解しようとする学問です。
3.行動主義心理学は、行動を研究対象としたものです。
J.B.Watsonは、「心理学は、客観的に測定可能な行動を研究対象とすべきである」と主張し、1913年に「行動主義宣言」を出し、「行動主義」を打ち出しました。
4.新行動主義心理学は、1930年代に登場した、行動主義の第二世代です。
主な理論には、E. C. Tolmanの「S-O-R理論」、C. L. Hullの「動因低減説」、B. F. Skinnerの「S-R理論」などがあります。
5.ゲシュタルト心理学は、一体性を重視し、「人間が与えられた刺激をまとまりをもったものとして知覚し、意識する」ものとして、全体を重んじています。
M. Wertheimerは、仮現運動に着目し、「全体は部分の総和を超える」ことを示し、ゲシュタルトの重要性を唱えました。
K. Lewinは、ゲシュタルトの理論を、個人だけでなく集団に応用する集団力学として、発展させました。
心理過程の「全体」や「場」を重んじるのはゲシュタルト心理学の特徴です。
各心理学の特徴を理解しておきましょう。
構成心理学とは、複雑な精神の現象をいくつかの要素に分けて理解しようとするものです。
比較心理学とは、動物の心理を比較対象とすることで人間の心理現象を理解しようとするものです。
行動主義心理学とは、意識や無意識といった客観的に測定しがたい要素ではなく行動という客観的に測定しうる要素から人間の心理を理解しようとするものです。
新行動主義心理学とは、行動主義から発展し、ある刺激と反応(行動)の間に媒介変数として人間の認知といった内面的要因を取り入れることで、個人差も含めて、人間の心理を理解しようとするものです。
ゲシュタルト心理学とは、精神は細かな要素に分解できるものではなく、全体としてまとまった構造を持つものとして考え、全体性を重視して精神を理解しようとするものです。
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