公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問9

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

C. R. Rogers のパーソナリティ理論の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 自己概念を扱う。
  • 精神−性発達を扱う。
  • パーソナリティ特性を5因子で捉えている。
  • リビドーの向かう方向で内向型と外向型に分類している。
  • パーソナリティ特性を外向−内向と神経症傾向という2軸で捉えている。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正答は1です。

1. C. R. Rogersはパーソナリティ理論の中心的な構成概念として、自己概念を扱っています。

自己概念とは、自己、自己構造と同義と考えられます。

一貫した概念的ゲシュタルトとして、自分の経験に対して開かれており、実存的であり、かつ主体として満足な行動を取ることができる、十分に機能している人間(fully functioning person)を目標とすることが、C. R. Rogersが提唱したクライエント中心療法です。

2. 精神 − 性発達を扱うのは、S. Freudの理論です。

S. Freudは、人格の発達は、性本能(リビドー)の円満な発達によって支えられるという発達段階説を提唱しました。

3. パーソナリティ特性を5因子で捉えているのは、5因子モデル(Big Five)です。

1930年より数多く行われた語彙アプローチによって見出された特性(因子)について、L. R. Goldbergが1990年に再度、因子分析を行い、見出しました。

4. 人間の心の基本的な方向性として、リビドーの向かう方向で、内向と外向に分けているのは、C. G. Jungです。

5. パーソナリティを内向性 − 外向性と神経症的傾向の2軸で捉えているのは、MPI(モーズレイ人格検査)です。

MPIは、H. J. Eysenckが独自の理論によって考案した人格検査です。

現在のMPIは、MMPI(ミネソタ多面的人格目録)の尺度をもとに、虚偽発見尺度(L尺度)が加えられています。

参考になった数88

02

C.R.Rogersは、アメリカの臨床心理学者で、来談者中心療法の創始者です。

初めて患者を‘クライエント’と呼ぶ、カウンセリング成功のためのカウンセラーの条件を提案するなどの取り組みをした事でも有名です。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 自己概念を扱う。

正答です。

自己概念とは、自分が自分自身に抱くイメージ、自分をどう思っているかという事です。

C.R.Rogersは、自己概念と実際の状況との不一致が困難や不適応を引き起こすと考えました。また、カウンセリングを必要としている時期は、この自己概念が固くて狭い状態ですが、カウンセリングが進んでいくと柔軟になっていき、ありのままの自分を受け入れられるように変化していくと言っています。そして、あらゆる状況に上手く対応できるようになり、自己実現へ向けて創造的に生活できるようになるという考え方をしています。

選択肢2. 精神−性発達を扱う。

誤りです。

これは、S.Freudによる心理性的発達理論の説明です。

広義の性欲(リビドー)が発達や人格形成に重要な役割がある、発達段階に合わせて特定の部位が敏感になると考えるものです。

選択肢3. パーソナリティ特性を5因子で捉えている。

誤りです。

これは、L.R.Goldbergによるビッグファイブの説明です。

人の性格を、外向性・誠実性・調和性・開放性・神経質的傾向の5つの因子で考えようとする理論です。

選択肢4. リビドーの向かう方向で内向型と外向型に分類している。

誤りです。

これは、Jung.C.Gの向性理論の説明です。

心的エネルギー(リビドー)が、外へ向きやすいのか、内へ向きやすいのかを考えるものです。

選択肢5. パーソナリティ特性を外向−内向と神経症傾向という2軸で捉えている。

誤りです。

これは、Eysenck.H.Jが創始した「モーズレイ人格目録‐MPI」の説明です。

性格を外向‐内向、神経症傾向について考えます。

まとめ

C.R.Rogersの提唱したカウンセリングの態度は、どの療法を用いる場面でも基本的な態度として重要なものです。彼の考え方や取り入れた方法は現代のカウンセリングでも引き続き用いられている内容が多いですので、よく勉強していきましょう。

参考になった数0