公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問10

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

失読と失書について、最も適切なものを1つ選べ。
  • 純粋失書では、写字が保たれる。
  • 失読失書の主な責任病巣は、海馬である。
  • 純粋失読の主な責任病巣は、帯状回である。
  • 失読失書では、なぞり読みが意味の理解に有効である。
  • 純粋失読では、自分が書いた文字を読むことができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は1です。

1. 失書とは、手や腕の運動障害がないのに文字が書けなくなる症状のことです。

大脳の後天的な局所的損傷によって起きるもので、種々のタイプがあります。

純粋失書は、左前頭葉病変で生じるとされており、最近では、左頭頂葉の角回周辺の病変で生じる可能性が示されています。

純粋失書は自発書字、書き取りのみが障害されます。

写字は保たれます。

2. 失読失書には、角回型と側頭葉後下部型があります。

失読失書の責任病巣は、海馬ではありません。

3. 純粋失読の責任病巣は、左右の大脳半球をつなぐ連合線維である脳梁の後部にある脳梁膨大部と、一次視覚野です。

4. 失読失書のうち、角回型失読失書は、仮名の失読、漢字の失書が特徴です。

側頭葉後下部型失読失書は、漢字に選択的な失読失書です。

ここでいうなぞり読みは、文字を手や指でなぞってそれがどのような語か理解するということです。

なぞり読みが可能なのは、純粋失読です。

5. 純粋失読は、文字認知の段階における障害なので、自分が書いた文字を読むことはできません。

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02

「失読」とは、会話はできても、文字を読む事が難しい状態を言います。

「失書」とは、身体的には問題がなくても、文字を書く事が難しい状態を言います。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 純粋失書では、写字が保たれる。

正答です。

純粋失書では、会話や文字を読む事、文字を書き写す事ができますが、見聞きした情報を文字にしたり、自分で文章を考えて書いたりする事が難しい状態です。

選択肢2. 失読失書の主な責任病巣は、海馬である。

誤りです。

失読失書は、角回型、側頭葉後下部型があるとされています。

選択肢3. 純粋失読の主な責任病巣は、帯状回である。

誤りです。

純粋失読は、左後頭葉内側下部、脳梁膨大部の病変が重視されています。

選択肢4. 失読失書では、なぞり読みが意味の理解に有効である。

誤りです。

失読失書のリハビリでは、言語療法(簡単な単語や文章を聴く、読む、話す、書くなど)、より良いコミュニケーション(言葉だけでなくジャスチャーやイラストを用いるなど)の援助がされます。なぞり読みを有効とする記述は見られていません。

選択肢5. 純粋失読では、自分が書いた文字を読むことができる。

誤りです。

純粋失読は、読みに選択的な困難がある状態を言います。会話や書字ができますが、自分の書いた文字は読む事が難しいとされます。

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