公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問11
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
集団や社会の多くの成員が、自分自身は集団規範を受け入れていないにもかかわらず、他の成員のほとんどがその規範を受け入れていると信じている状況を指す概念として、最も適切なものを1つ選べ。
- 集団錯誤
- 集合的無知
- 集団凝集性
- 少数者の影響
- 内集団バイアス
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この過去問の解説 (2件)
01
正答は2です。
1. 集団錯誤は、F. H. Allportが提唱しました。
個人だけが唯一の実在であり、集団というものはフィクションに過ぎないという考え方です。
集団が実在すると思い込むことが集団錯誤です。
2. 集合的無知は、多元的無知ともいいます。
社会心理学では、「裸の王様」の物語として説明されることが多いです。
集合的無知のプロセスとしては、「他者が嫌々行っていたとしても、その人がそれをしたくて行ったのだろう」という認知バイアス(対応バイアス)と、「それに合わせて嫌々行動してしまう」という過程があります。
3. 集団凝集性は、集団成員性に作用する力であり、成員が集団にとどまるか離脱するかの力の差引のことです。
L. Festingerは、集団凝集性を「成員を集団内にとどめようと作用する力の総体」と定義しました。
4. 少数者の影響とは、ある集団で少数者しかもたない意見が、多数者の意見に影響を与えることです。
S. Moscoviciは、個人が多数者に影響を与えることについて社会心理学的実験を行っています。
5. 内集団バイアスは、自分が所属する集団の成員に対して、好意的に評価するバイアスのことです。
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02
社会心理学の知識が問われています。
自分自身も体験する事があるような内容ですので、知識を持っておくと良いですね。
では、選択肢を見てみましょう。
誤りです。
マクドゥーガルが提唱した考えに「集団心」というものがあります。これは、集団の成員個々の心を超えて集団の心があり、それによって動くという考え方です。オルポートは、この考えを存在しないとしており、集団心があるように感じている事を集団錯誤とよんでいます。
正答です。
問題文は集合的無知の説明として適切です。「多元的無知」とも呼ばれます。
誤りです。
集団凝集性とは、集団の成員が、所属する集団に魅力を感じており、集団の成員であり続けたい、留まっていたいという動機づけをさせる力を言います。
集団凝集性が高い集団では、仲間意識や生産性が向上しやすいと考えられています。
誤りです。
少数者の影響とは、ある集団の中で少数者しか持っていない意見が、集団の多数者の意見に影響を及ぼす事を言います。少数の意見であっても、その主張に一貫性がある、集団内に仲間意識があるなどの条件が揃う場合に、多数者の意見を変えるような力を持つと考えられています。
誤りです。
内集団バイアスとは、自分の所属する集団のメンバーが他集団のメンバーよりも優れていると感じたり、高く評価したりするものです。地元や学校が同じだったというような過去の所属であっても起きる認知であり、場合によっては内集団をひいきするような事も起きやすいと考えられています。
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