公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問17

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

H. S. Sullivan の「関与しながらの観察」を深めていくために必要なことについて、最も適切なものを1つ選べ。
  • 自分の中立的な立ち位置が揺れ動かないよう努めること
  • 自分のその場での言動と関係付けてクライエントの反応を捉えること
  • 自分の主観に現れてくるイメージをもとにしてクライエント理解を進めること
  • 観察の精度を高める道具として、標準化された検査の導入を積極的に進めること
  • これまでのやりとりの流れから切り離して、今ここのクライエントの感情を理解すること

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は2です。

1. 自分の中立的な立ち位置が揺れ動かないようにすることは、クライエントとの対人関係を取り扱わないこととなります。

そうではなく、H. S. Sullivanは、関与しながら、クライエントとカウンセラーの関わりを観察することを重視しました。

2. H. S. Sullivanは、精神医学において、対人関係を重要視しました。

H. S. Sullivanによると、アセスメントを含めた治療は、クライエントとカウンセラーとの対人関係の場で行われなければなりません。

カウンセラーとクライエントの関わり全てが、クライエントを理解することであり、アセスメントとなります。

3. クライエントとの対人関係の場で、様々な出来事や感情を検討しながら模索するのであって、主観に現れるイメージをもとにクライエント理解を進めるわけではありません。

4. 標準化された検査の導入を積極的に進めることは、H. S. Sullivanのいう「関与しながらの観察」ではありません。

5. カウンセリングにおける治療は、クライエントとセラピストの対人関係の場で行われます。

面接の経過や感情の時間的変化が重要視されますので、やりとりの流れが切り離されることはありません。

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02

カウンセラー(公認心理師)がカウンセリングや心理療法を行う際、クライエントの言葉を聴くだけでなく、表情、態度、仕草などよく観察しながら進める事が大切です。

カウンセリングや心理療法の場面では、クライエントの心情の変化に、カウンセラーの存在や言動も影響しています。クライエント自身の要因だけで、心情や態度が変わるのではありません。

 

H.S.Sullivanは、カウンセラーがクライエントへ与える影響があると理解し、客観的にクライエントを見るのでなくカウンセラーの存在も含めて観察する事の重要性を説いており、これを「関与しながらの観察」と呼びました。

 

そのために必要な態度として、選択肢の中では、「自分のその場での言動と関係つけてクライエントの反応を捉えること」が適切な説明と言えます。

 

まとめ

「関与しながらの観察」は、公認心理師試験で度々出題されている用語です。カウンセリングや心理療法の実践においても重要な態度ですので、その意味や必要性についてよく学んでおきましょう。

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