公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問19

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

産後うつ病の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 双極性障害との関連は少ない。
  • 有病率は約10%から15%である。
  • マタニティー・ブルーズと同義である。
  • M-CHATがスクリーニングに用いられる。
  • 比較的軽症がほとんどで、重篤化することはない。

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この過去問の解説 (2件)

01

正答は2です。

1. 産後うつ病と双極性障害の関連は、指摘されています。

産後うつ病はマタニティブルーに比べて症状が重く、比較的持続します。

躁状態であることを見逃さずに発見することが必要です。

産後うつ病は、自殺や虐待などの重要なリスク因子であることから、できるだけ早期に発見して、適切に介入する必要があります。

2. 産後うつ病は、10~20人に1人の割合で、母親が子どもを産んだ後に体験します。

その発生時期は、出生後1~2週間から数カ月以内です。

3. マタニティー・ブルーズは、出産直後から数日後までに現れる心身の不調のことを指します。

比較的症状が軽く一過性の場合がほとんどであるといわれています。

一方、産後長期間にわたって心身の不調が続く場合、産後うつ病が疑われます。

4. M-CHATは、乳幼児を対象としたASD(自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害)に関する検査の名称です。

5. 産後うつ病は、早期に発見し、適切に介入する必要があります。

発見が遅れると重篤化する可能性が高いです。

周産期のうつ病や産褥精神病は、自殺や虐待などの重要なリスク因子です。

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02

産後うつ病とは、女性が出産後の数週間から数カ月の間に、極端な気分の落ち込みがある、気分を責めてしまう、食欲がなくなる、眠れないなどの症状が起きるものです。出産後のホルモンバランスの変化、心理社会的な状況の変化、育児への不安などが要因と考えられています。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 双極性障害との関連は少ない。

誤りです。

産後うつ病と双極性障害には関連が見られます。

周産期(妊娠中~産後)に初めて双極性障害のエピソードが見られる場合があります。また、妊娠以前に双極性障害にかかっていた場合、家族の誰かに既往歴がある場合にも、周産期に発症しやすくなると言われています。

選択肢2. 有病率は約10%から15%である。

正答です。

有病率は約10~15%であり、決して珍しい疾患ではないと考えられます。

選択肢3. マタニティー・ブルーズと同義である。

誤りです。

マタニティー・ブルーズとは、出産直後に見られる気分の落ち込みなどを言います。これは、出産という経験や生活の変化に対する自然な反応と考えられており、1~2週間が過ぎると症状が改善していきます。症状が2週間以上続く場合には、産後うつ病を考える必要があります。

時間の経過と共に、自然に改善していくという点で産後うつ病とは異なります。

選択肢4. M-CHATがスクリーニングに用いられる。

誤りです。

M-CHATとは、「乳幼児期自閉症チェックリスト」と呼ばれるもので、産後うつ病のスクリーニングには用いられません。

産後うつ病のスクリーニングには、EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)が多く使用されています。

選択肢5. 比較的軽症がほとんどで、重篤化することはない。

誤りです。

産後うつ病は重篤化する場合があります。自殺の危険性もありますので、治療や生活のサポートが必要な疾患です。

まとめ

産婦人科や総合病院に勤める場合でなくても、周産期の心の変化について知識を持っておく事によって、治療が必要な方がいる時に素早く気づく事ができます。周産期の女性は、社会とのつながりが少なくなっている事も多いですので、女性本人やご家族などから産後うつ病が疑われる様子が聞かれる時には、適切に対応しましょう。

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