公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問20
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
職場復帰支援について、最も適切なものを1つ選べ。
- 産業医と主治医は、同一人物が望ましい。
- 模擬出勤や通勤訓練は、正式な職場復帰決定前に開始する。
- 傷病手当金については、職場復帰の見通しが立つまで説明しない。
- 職場復帰は、以前とは異なる部署に配置転換させることが原則である。
- 産業保健スタッフと主治医の連携においては、当該労働者の同意は不要である。
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この過去問の解説 (2件)
01
正答は2です。
1. 産業医と主治医は、役割が異なり、別の人物である場合は、連携をとることが必要です。
連携をとる際には、当該労働者の同意が必要です。
2. 職場復帰支援として、模擬出勤や通勤訓練は、正式な職場復帰決定前に開始します。
職場復帰については、厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を参考に、5つのステップに沿って支援を行うことが望ましいです。
第1ステップ:「病気休業開始および休業中のケア」
第2ステップ:「主治医による職場復帰可能の判断」
第3ステップ:「職場復帰の可否の判断および職場復帰支援プランの作成」
第4ステップ:「最終的な職場復帰の決定」
第5ステップ:「職場復帰後のフォローアップ」
再発・再休職を経験した場合、長期化することがあるので、復職をする際には、就労に耐えうる機能性の回復を含めて、状態を整えていくサポートをすることが肝要です。
3. 傷病手当金については、休職をするときに説明をしておくことが必要です。
第1ステップの際に、労働者が安心して療養に専念できるように、休業中の連絡方法や手続き、休業可能期間や傷病手当等の制度などを確認し、当該労働者をケアします。
4. 職場復帰について、以前とは異なる部署に配置転換させるという原則はありません。
就業上の配慮については、当該労働者、管理監督者、人事や産業医等で情報交換・連携し、判断をしていきます。
5. 産業保健スタッフと主治医の連携のみならず、職場復帰支援における専門家との連携においては、当該労働者の同意が必要です。
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02
以下、選択肢ごとに解説します。
✖
産業医と主治医は原則同じ人物になることは避けるべきです。
主治医は治療をおこなう人物であり、生活遂行能力などから職場に復帰できるか診断書を作成します。
産業医は治療を行うことはできませんので、適切な医療機関につないだり助言を行ったりします。また復職の際は意見書を作成します。
〇
厚生労働省は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を作成しました。5つのステップに分かれており、これは③の職場復帰の可否判断及び職場復帰支援プランの作成にあたります。
①病気休業開始及び休業中のケア②主治医による職場復帰可能性の判断③職場復帰の可否判断及び職場復帰支援プランの作成④最終的な職場復帰の決定⑤職場復帰後のフォローアップ
✖
傷病手当とは休業中に給付される経済的な補償のことです。安心して治療に臨むことができるよう、上述のステップ①の段階で説明をしておきましょう。
✖
異なる部署に異動する必要があれば、配慮はされるかもしれません。しかし、必ず異動することが決まりではありません。
✖
主治医は労働者の業務内容などを情報提供していただきたいでしょうし、産業保健スタッフも労働者にどのような配慮が必要か聞きたいでしょう。しかし、これらは個人情報にあたります。ですので、あらかじめ連携することへの同意を労働者に得ておくことが必要となります。
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