公認心理師 過去問
第4回(2021年)
問21 (午前 問21)
問題文
2018年(平成30年)時点において、児童養護施設における入所児童の特徴や傾向として、正しいものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 問21(午前 問21) (訂正依頼・報告はこちら)
2018年(平成30年)時点において、児童養護施設における入所児童の特徴や傾向として、正しいものを1つ選べ。
- 入所児童は、年々増加している。
- 家族との交流がある入所児童は、半数を超える。
- 被虐待体験を有する入所児童は、半数に満たない。
- 幼児期に入所し、18歳まで在所する児童が年々増加している。
- 入所児童の大学・短期大学などへの進学率は、おおむね60%以上である。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2です。
1.→✖
厚生労働省の調査では、2009年が最も入所者数が多く、その後は年々減少しています。
2.→〇
交流とは、帰省や面会だけでなく手紙なども含みます。厚生労働省の調査では、52.7%が帰省、18.8%が面会、電話・手紙・連絡が9.6%となっており入所児童の半数以上が交流をしています。
3.→✖
厚生労働省は入所者の65.6%は虐待による理由が入所の原因であるとしています。また、36.7%は何らかの障害をもつ子どもが入所しています。
4.→✖
児童養護施設の入所期間は一年ほどであることが最多です。
5.→✖
児童養護施設に入所している児童が大学や専門学校に進学するのは23%と、全国の高校卒業後の大学・専門学校への進学率73%と比較するととても少ないです。
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02
正答は2です。
1. 児童養護施設の入所児童数は約2割減、乳児院は約1割減であることが、令和3年の情報として厚生労働省により公開されています。
したがって、入所児童は減少しています。
2. 家族との交流は、面会や手紙などで、約8割は交流があります。
したがって、家族との交流がある入所児童は、半数を超えます。
3.児童養護施設の入所児童のうち、被虐待体験を有する児童は、半数を超えます。
4. 入所児童の在所年数は、1年未満が最も多いです。
家族再統合が支援の目標ですので、長期間の入所をする児童が減ることが期待されます。
5.入所児童の大学・短期大学などへの進学率は、60%には満たないです。
おおむね60%の進学率となっているのは、一般の高校生の大学進学率です。
参考URL
◎厚生労働省子ども家庭局 厚生労働省社会援護局障害保健福祉部
『児童養護施設入所児童等調査の概要』 令和2年1月
https://www.mhlw.go.jp/content/11923000/000595122.pdf
◎一般財団法人教育支援グローバル基金 ビヨンドトゥモロー
https://beyond-tomorrow.org/10305/
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03
この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。実は児童養護施設入所児童等調査の概要の最新は、令和5年2月1日に発行されていますhttps://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/8aba23f3-abb8-4f95-8202-f0fd487fbe16/5c104d63/20240229_policies_shakaiteki-yougo_86.pdf
ただし、問題文は平成30年時点の児童養護施設入所児童等調査の概要を理解した上での回答となります。https://www.mhlw.go.jp/content/11923000/001077520.pdf
それでは問題を見てみましょう。
Ⅰ—1.児童の現在の年齢によると、前回の調査よりも減少しているため、間違いです。
Ⅲ—1 家族との交流関係において、交流ありの項目は過半数を超えているため、正解です。
Ⅱ—2児童の被虐待経験の有無、虐待の種類における「虐待あり」は過半数を超えているため間違いです。
Ⅱ—3 児童の委託(在所)期間に平均在所期間は5.2年、入所時期の最多が2歳児ということもから、推定して間違いと判断します。
Ⅶ―1年長児童の就学状況を見ると、一般家庭に比し、大学・短大大学への進学率は著しく低いため、間違いです。
資料の数字をすべて覚えていることは不可能です。概要、言葉で説明されていることは確認しておき、全体的な人の流れ、動きを覚えておくように心がけましょう。最新の厚生労働省の様々な調査資料は目を通しておきましょう。
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