公認心理師 過去問
第4回(2021年)
問22 (午前 問22)

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 問22(午前 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

感覚運動学習について、最も適切なものを1つ選べ。
  • 運動技能学習の効果は、短期的である。
  • 感覚運動段階は、児童期の特徴である。
  • 感覚運動学習は、感覚系と運動系による連合学習である。
  • 一定の休憩を入れて運動技能を学習する方法は、分習法である。
  • 感覚運動学習においては、課題にかかわらず全習法が効果的である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は3です。

1. 運動技能学習(motor skill learning)は、練習を重ねることで、徐々に熟練したものになっていく学習のことです。

知覚運動学習ともいいます。

この学習を支える要因としては、自分の遂行結果の知識(結果の知識 knowledge of results:KR)と、遂行についての知識(knowledge of performance:KP)によって、正確な動作に修正することです。

徐々に修得する過程ですので、短期的ではありません。

2. 感覚運動期は、J. Piagetの提唱した4つの発達段階のひとつです。

Piagetは、0~2歳の乳幼時期を感覚運動期としました。

感覚と運動を協応させ、外界の事物を認識し、新しい場面に適応していく期間です。

3. 感覚運動学習は、感覚系と運動系による連合学習です。

自動車の運転のような運動技能学習のことです。

4. 分習法は、部分学習法ともいい、あらかじめいくつかの部分に分けて学習を進めていく方法です。

5. 全習法は、全体を通して反復学習をする方法のことです。

感覚運動学習においては、全習法よりも分習法のほうが効果的であるという研究報告がなされています。

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02

正解は3です。

1.→✖

運動を初心者習熟者に分けて分析すると、初心者は無駄な筋肉の動きが多いと明らかになりました。つまり、練習を重ねるうちに無駄な筋肉の動きが減っていくのです。この筋肉への命令運動プログラムと言います。

2.→✖

上述の通り運動プログラムが培われるのは、児童期に限ったことではありません

3.→〇

感覚運動学習とは感覚と運動の協応関係による学習のことです。楽器の演奏やスポーツの技能などが例として挙げられます。

4.→✖

分習法とは、部分に分けて練習することです。ピアノでいうと、右手と左手を片手ずつ練習することです。休憩をいれて練習するのは分散練習といいます。

5.→✖

全習法とは、分習法とことなり部分に分けずそのまま練習することです。ピアノでいうと、片手ずつ練習せず両手で練習し続けることです。分習法の方が効果的であるといわれています。

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03

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。

感覚運動学習とは何か、理論の知識を問われています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 運動技能学習の効果は、短期的である。

運動技能の学習は長期的です。感覚運動学習で得られる学びは技能、手続き記憶で、学ぶことに時間を要する代わりに長期的に保持されます。一度学習したものを見かけ上忘却していたとしても、運動技能の記憶は小脳で保持され想起されます。そのため間違いです。

選択肢2. 感覚運動段階は、児童期の特徴である。

技能の学習は児童期に限らず、習熟度や定着までの期間に違いがあれど、あらゆる年代で可能ですので間違いです。

選択肢3. 感覚運動学習は、感覚系と運動系による連合学習である。

正解です。感覚系と運動系による連合運動が感覚運動学習です。

選択肢4. 一定の休憩を入れて運動技能を学習する方法は、分習法である。

分習法とは、休憩ではなく、工程ごとに反復して学習する方法です。工程ごと学んだあと、つなげることで全体の学習になりますので、間違いです。

選択肢5. 感覚運動学習においては、課題にかかわらず全習法が効果的である。

全習法とは、最初から最後まで一連の動作を毎回繰り返す学習方法です。分習法とどちらが効果的かという点においては、議論の余地があります。課題の難易度に左右され、一概に言い切れないため、間違いです。

まとめ

本学習理論だけでなく、さまざまな学習理論があります。学習したことをどのように覚えていて、どのように想起するのか、脳の働きに関しても知識があると、覚えやすいかもしれません。記憶に関することの復習も合わせて行っておきましょう。

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