公認心理師 過去問
第4回(2021年)
問23 (午前 問23)
問題文
ユニバーサルデザインの考え方に基づいて、授業を実施する場合に重要な視点として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 問23(午前 問23) (訂正依頼・報告はこちら)
ユニバーサルデザインの考え方に基づいて、授業を実施する場合に重要な視点として、最も適切なものを1つ選べ。
- 同化
- 熟達化
- 焦点化
- 体制化
- 符号化
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は3です。
1. 同化は、J. Piagetの認知発達理論における用語です。
同化とは、環境を、感覚や運動を通じ、自分の中に取り込むことです。
Piagetによると、人の発達とは、同化・調節・均衡化を繰り返して、シェマを拡大させていくことです。
2. 熟達化とは、学習心理学において用いられる用語で、人がスキルを習得していき熟達していくこと、および、そのプロセスです。
3. ユニバーサルデザインは、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず、多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインするという考え方です。
教育現場における、授業のユニバーサルデザイン化としては、「焦点化」「視覚化」「共有化」が重要な視点です。
4. 体制化は、ゲシュタルト心理学においてM.Wertheimerが提示した法則です。
群化の法則ともいいます。
人はバラバラのものを1つのものにまとめて知覚しています。
5. 符号化は、記憶の過程において用いられる用語で、記銘ともいわれます。
記銘(符号化)、保持(貯蔵)、想起(検索)の過程が全て成功し、初めて記憶が成立します。
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02
正解は3です。
1.→✖
同化とは、感覚や運動を通して外界を自分の世界に取り入れ、シェマを形成することです。ピアジェは子どもの認知や思考について整理した認知発達論を唱え、同化は感覚運動期に行われると提唱しました。
2.→✖
熟達化とは、ある領域を長期にわたって学んだ知識や技術のことです。子どもでも、大人より詳しい知識や技術を学ぶことによって獲得することができます。
3.→〇
焦点化とは、個人個人の視点の取り方のことです。ジェネットが提唱しました。
4.→✖
体制化とは、まとまりを持つことです。群化ともいい、ゲシュタルト心理学の考えです。
5.→✖
符号化とは、記憶の過程の1つで記憶痕跡を形成することです。記憶の過程は、符号化→貯蔵→検索となっており、これは認知心理学でよく用いられる過程の呼び方です。記銘→保持→想起と同じです。
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03
この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。ユニバーサルデザインの考え方と応用方法について問われています。
では問題を見てみましょう。
この単語は、ピアジュが述べている外界と自己の関係をどのようにするか、という考え方の一つとして用いられます。与えられたものを取り込むことが同化です。ユニバーサルデザインの考えではないため、間違いです。
認知心理学の一つの考え方であり、一定の期間を経て知能や技能が習得され、かつ熟成されてよりよく生かすことができるようになることを指します。ユニバーサルデザインの考えではないため、間違いです。
教育現場におけるユニバーサル・デザインの考え方の一つです。学習ポイントを絞って伝えていく教育手法を指しますので、正解です。
ゲシュタルト心理学における用語、理論の一つでもあり、刺激をまとまりのある意味の持った文脈でまとめなおし、覚えていくものですので、間違いです。
外部の刺激を記憶にとどめること、その際に後で思い出しやすくなるようにまとめなおす(複合化)できるように言い換える(変換する)ことを指します。ユニバーサルデザインの考えではないため、間違いです。
ユニバーサルデザインの定義はメイスが示しており、できるだけ多くの人が利用可能であるように、デザインすることを指します。ユニバーサルデザインの原則(誰にでも公平に・自由度が高いこと・使い方が簡単・情報のわかりやすさ・失敗のしにくい仕掛け・安楽な姿勢で活動できること・アクセスしやすいスペースを確保すること)を理解し、いろいろな分野での応用方法についても、考えておきましょう。
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