公認心理師 過去問
第4回(2021年)
問24 (午前 問24)
問題文
保護観察所において生活環境の調整が開始される時期として、正しいものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 問24(午前 問24) (訂正依頼・報告はこちら)
保護観察所において生活環境の調整が開始される時期として、正しいものを1つ選べ。
- 家庭裁判所の審判が開始される時点
- 医療及び観察等の審判が開始される時点
- 矯正施設から身上調査書を受理した時点
- 矯正施設において、仮釈放(仮退院)の審査を始めた時点
- 矯正施設から仮釈放(仮退院)を許すべき旨の申出が行われた時点
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は3です。
生活環境の調整は、2008年に施行された『更生保護法』の第4章として、新たに加えらたものです。
更生保護法では、第82条において「収容中の者に対する生活環境の調整」について、第83条において「保護観察付執行猶予の裁判確定前の生活環境の調整」について、定められています。
矯正施設に収容されていた者が社会に戻るときに、本人の生活環境を調整し、再犯防止を目指すことが目的です。
生活環境の調整は、保護観察所の活動です。
1. 家庭裁判所の審判が開始される時点では、生活環境の調整は開始されません。
2. 医療及び観察等の審判が開始される時点では、生活環境の調整は開始されません。
3. 保護観察は、犯罪をした人または非行をした少年が、社会の中で更生するように、保護観察官および保護司による指導と支援を行うものです。
社会の中で処遇を行うことから、社会内処遇といわれています。
保護観察所において生活環境の調整が開始される時期は、矯正施設から身上調査書を受理した時点です。
4. 矯正施設において、仮釈放(仮退院)の審査を始めた時点では、すでに生活環境の調整が開始されています。
5. 矯正施設から仮釈放(仮退院)を許すべき旨の申出が行われた時点では、すでに生活環境の調整が開始されています。
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02
この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。
少年事件による法規や制度の関する知識、保護観察所の役割が問われています。
では、問題を見てみましょう。
家庭裁判所の審議は、少年事件のうち、非行事実が存在すると認められる場合は、必ず家庭裁判所にその事件を装置する全件送致主義をとっています。この時期はまだ事件の審議が主であり、間違いです。
間違いです。
これは、医療観察制度に関する流れです。医療観察法に基づき行われ、心神耗弱状態かどうかの審議等が行われます。
家庭裁判所の審判が下り、少年刑務所等に収容された者の情報は、保護観察所に伝えられますので正解です。
この時点ではまだ、情報を得ていません。矯正施設内での審議をしているときは、情報提供していませんので間違いです。
この後、保護観察所に情報提供する流れとなります。
この時点では、まだ情報を得ていません。矯正施設内で仮釈放(仮退院)を行うことを審議している段階ですので、間違いです。
この後、保護観察所に情報提供する流れとなります。
各段階で、何を行うべきか、はすべて法律に記載されています。
身上調査書の通知時期は「犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則」の第7条に詳細が記載されています。矯正施設の役割やすべきこと、保護観察所の役割やすべきこと、と合わせて整理しておきましょう。
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03
保護観察に関する知識が問われています。
令和4年度「犯罪白書」第2編第5章第2節に「生活環境の調整」について次のように記されています。
「受刑者の帰住予定地を管轄する保護観察所は、刑事施設から受刑者の身上調査書の送付を受けるなどした後、保護観察官又は保護司が引受人等と面接するなどして、帰住予定地の状況を確かめ、住居、就労先等の生活環境を整えて改善更生に適した環境作りを働き掛ける生活環境の調整を実施している」
よって、この問題の回答は「矯正施設から身上調査書を受理した時点」となります。
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