公認心理師 過去問
第4回(2021年)
問29 (午前 問29)

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 問29(午前 問29) (訂正依頼・報告はこちら)

せん妄について、適切なものを1つ選べ。
  • 小児では発症しない。
  • 注意の障害を呈する。
  • 早朝に症状が悪化することが多い。
  • 予防には、補聴器の使用を控えた方がよい。
  • 予防には、室内の照度を一定にし、昼夜の差をできるだけ小さくすることが有効である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は2です。

1.せん妄とは、意識水準の低下のことです。

小児でも発症します。

2.せん妄は、一過性の見当識障害、認知機能の低下や錯乱、幻視などの精神病様症状を伴います。

3.せん妄の原因は多様です。

一番多いのは、全身状態に影響する重篤な疾患や、手術などの器質的な身体要因の影響、環境の変化、薬物の影響などです。

日内変動としては、夜間や夕刻に悪化します。

4.せん妄の治療には、全身状態や環境の改善、安心できる環境でのケアが重要とされています。

ストレスを与えないことが重要であるため、補聴器を控えることによりストレスが増大するのであれば、補聴器の使用を控えることは不適切です。

5.せん妄の予防には、環境の改善が重要です。

室内の照度を一定にすると、夜、眠れなくなる可能性があるため、不適切です。

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02

「せん妄」とは、大脳辺縁系の過度な興奮、中脳や視床などの活動低下によって起こると考えられています。

ぼーっとする、話のつじつまが合わなくなる、生活リズムが乱れる、時間や場所がわからなくなる、見えないはずの物が見えるなどの症状が生じます。

そのような症状が見られる方には、落ち着いた口調ではなす、否定せずに話を聴くなどの態度で関わる事が大切です。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 小児では発症しない。

誤りです。

小児であっても、高熱などの場合に起きる事があります。

選択肢2. 注意の障害を呈する。

正答です。

ぼーっとする、注意・集中が落ちるなど注意の障害が見られます。

選択肢3. 早朝に症状が悪化することが多い。

誤りです。

症状は夕方に悪化する事が多いとされます。

夕方になると落ち着かない、そわそわするような様子が見られます。

選択肢4. 予防には、補聴器の使用を控えた方がよい。

誤りです。

普段から補聴器を使っている方は、使用する事が良いとされます。眼鏡も同様です。

選択肢5. 予防には、室内の照度を一定にし、昼夜の差をできるだけ小さくすることが有効である。

誤りです。

生活リズムを守るために、自然な明るさを感じられるようにする、時間がわかるようにするなどの環境調整が有効です。

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03

この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。せん妄の発症機序や症状、影響について問われています。

では、問題を見てみましょう。

選択肢1. 小児では発症しない。

好発年齢はありません。意識障害の一つであり年齢を問わず生じる可能性はありますので、間違いです。

選択肢2. 注意の障害を呈する。

正解です。意識が低下しているため、ぼんやりする、注意散漫になるなど様々な症状を呈します。

選択肢3. 早朝に症状が悪化することが多い。

一般的には夕方から夜間に生じ、日中は改善するパターンが多いため、間違いです。

選択肢4. 予防には、補聴器の使用を控えた方がよい。

日常生活を規則正しく過ごすことが、予防には一番大切です。難聴になると周囲の情報を理解することが難しくなるため、認知機能の低下を含め、様々な弊害を生みます。そのため、補聴器は予防的観点から使用を推奨されるため、間違いです。

選択肢5. 予防には、室内の照度を一定にし、昼夜の差をできるだけ小さくすることが有効である。

日常生活を規則正しく過ごすこと、夜は夜らしく、昼間は昼らしく過ごすことが必要です。夜間の睡眠を促すメラトニンは、周囲が暗くなることでより算出されやすくなることからも、間違いです。

まとめ

せん妄状態では認知機能の低下を招き、生活に支障をきたします。他の主疾患の影響で生じる場合もあります。せん妄をはじめとした、様々な意識障害のレベル、反応については整理して覚えておきましょう。

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