公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問51

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問51 (訂正依頼・報告はこちら)

個人情報保護について、誤っているものを1つ選べ。
  • 本人の同意があれば、当該本人に関する個人データを第三者に提供できる。
  • クライエントが公認心理師に対する信頼に基づいて打ち明けた事柄は、個人情報に該当しない。
  • 個人情報には、指紋やDNAの塩基配列など身体に固有の特徴を符号化したデータも含まれる。
  • 個人情報取扱事業者は、その取扱う個人データについて、安全管理のために必要な措置を講じなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では個人情報保護の知識について問われています。

個人情報保護については、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)、公認心理師法を十分に理解しておく事が重要です。

 

では、選択肢を見てみましょう。

選択肢1. 本人の同意があれば、当該本人に関する個人データを第三者に提供できる。

個人情報保護の説明として適切です。

個人情報保護法第二十七条では、個人情報取扱事業者の第三者への個人情報の提供について示されています。ここでは、「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない」とあります。

言い換えると、本人から同意を得る事ができれば第三者へ個人データを提供する事が可能と考える事ができます。

また、第二十七条の「次に掲げる場合」とは、法令に基づく場合、人の生命や身体の保護のために必要な場合などと示されています。

選択肢2. クライエントが公認心理師に対する信頼に基づいて打ち明けた事柄は、個人情報に該当しない。

個人情報保護の説明として不適切です。よって、この問題では正答です。

 

個人情報保護法、公認心理師法の中には、「カウンセリングでクライエントが打ち明けた事柄」を個人情報と扱うという明記はありません。しかし、カウンセリングで知り得た情報の中には、クライエント個人しか知り得ない考えや気持ちなどがあります。それらは、他の情報と照合すると個人が特定される可能性もありますので、個人情報に該当すると考える事もできます。

公認心理師は、クライエントから聴いた話は個人情報に当たるものであり、許可なく外部へ漏れる事のないよう十分に配慮する事が求められます。

選択肢3. 個人情報には、指紋やDNAの塩基配列など身体に固有の特徴を符号化したデータも含まれる。

個人情報保護の説明として適切です。

個人情報保護法第二条には、「特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの」とあります。

つまり、個人情報には、氏名、生年月日、住所、顔写真、メールアドレス、マイナンバーなどだけでなく、指紋、DNAの塩基配列なども含まれると言えます。

選択肢4. 個人情報取扱事業者は、その取扱う個人データについて、安全管理のために必要な措置を講じなければならない。

個人情報保護の説明として適切です。

個人情報保護法第二十三条では、「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない」とあります。

まとめ

クライエントの個人情報を守る事は、公認心理師の業務として重要な事の一つです。カウンセリングで聴いた内容を他の誰にも話さない事はもちろんですが、書面やデータなども第三者の目に触れないような仕組みを作る事が大切です。必要に応じて第三者へ情報を伝える場合もありますが、その際にはクライエントへ説明の上で同意を得る事を忘れず、信頼関係を継続できるように対応していきましょう。

参考になった数1

02

正答はクライエントが公認心理師に対する信頼に基づいて打ち明けた事柄は、個人情報に該当しない。」です。

選択肢1. 本人の同意があれば、当該本人に関する個人データを第三者に提供できる。

本人の同意があれば、第三者に個人情報を提供できますので、正しいです。

他職種との連携において、クライエントの個人情報の共有は必須です。

選択肢2. クライエントが公認心理師に対する信頼に基づいて打ち明けた事柄は、個人情報に該当しない。

心理師として秘密保持義務を課せられる個人情報は、個人情報保護法第二条に定義されている個人情報だけでなく、クライエントが他人知られたくないと思っている自身の情報を含みます。

よって誤りです。

選択肢3. 個人情報には、指紋やDNAの塩基配列など身体に固有の特徴を符号化したデータも含まれる。

個人情報保護法で規定される個人識別符号には、指紋、DNA、手指の静脈、顔などの生体情報をデジタルデータに変換したもの、運転免許証、パスポート、保険証番号、マイナンバーなどが含まれるので、正しいです。

選択肢4. 個人情報取扱事業者は、その取扱う個人データについて、安全管理のために必要な措置を講じなければならない。

個人情報保護法第20条において、「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。」とありますので、正しいです。

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