公認心理師の過去問 第4回(2021年) 午前 問54
この過去問の解説 (2件)
行動療法は、以下のように分類されることがあります。
第一世代:レスポンデント条件づけ、オペラント条件づけに基づいたもの
例)応用行動分析、行動活性化
第二世代:認知行動療法 例)認知再構成法、論理情動療法(REBT)
第三世代:マインドフルネスとアクセプタンスを重視したもの
例)マインドフルネス、弁証法的認知療法
アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)
内観療法は吉本伊信が考案した日本独自の心理療法で、内観三問すなわち「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」について自身の振り返りを指導者に報告するものです。
マインドフルネスに基づく認知行動療法には該当しません。
よって、本選択肢は不適切です。
応用行動分析(ABC分析)は、行動は環境との相互作用によって学習されたものと理解し、適応行動の形成や問題行動の消去を得意とするものです。
マインドフルネスに基づく認知行動療法には該当しません。
よって、本選択肢は不適切です。
弁証法的行動療法は、境界性パーソナリティ症に対する治療効果が実証されている治療法の1つです。
その中のグループ・スキル訓練では、マインドフルネススキル、感情調節スキル、対人関係スキル、苦悩耐性スキルを身につけるためのプログラムがありますので、本選択肢は適切です。
アサーション・トレーニングは、他者の権利を尊重しながら、自分の思考や感情を適切に表現できるようになるためのトレーニングのことです。
マインドフルネスに基づく認知行動療法には該当しません。
よって、本選択肢は不適切です。
アクセプタンス&コミットメント・セラピーは、認知や行動の選択肢を豊かにすることで、柔軟に対応できるようになることを目指すアプローチです。
1.アクセプタンス
2.脱フュージョン
3.観察する自己
4.「今ここ、この瞬間」に意識を集中する
5.価値の明確化
6.コミットされた行為 の6つの行動原則を重視します。
これは、マインドフルネスに基づく認知行動療法に該当します。
よって、本選択肢は適切です。
マインドフルネスとは瞑想によって感情や思考をコントロールする方法です。
✖
内観療法とは、吉本伊信が考案した心理療法です。刺激を遮断し、家族や身近な人に「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」と思い出して、面接者に報告します。
✖
応用行動分析とは、スキナーの行動理論を応用した環境に変化をもたらすことによって行動の変化を目的とするものです。自閉スペクトラム症の支援に用いられることが多いです。
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弁証法的行動療法とは、リネハンが境界性パーソナリティ障害の治療を目的に開発した心理療法です。症状の特徴として不足しているスキルである①対人関係のスキル②感情を抑制するスキル③欲求不満に耐えるスキル④マインドフルネススキルをトレーニング・グループで学んでいきます。第三世代の認知行動療法ともよばれています。
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アサーション・トレーニングとは、他者も尊重しつつ自分の意見を伝えるトレーニングのことです。認知行動療法の一つです。
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アクセプタンス&コミットメント・セラピー<ACT>とは、心理的柔軟性のある行動をとることを目指した認知行動療法の一つです。マインドフルネスも用いながら行います。
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