公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問60
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
32歳の女性A、2歳の子どもの母親。Aは、市の子育て支援センターで、公認心理師Bに育児不安について相談した。3年前に結婚により仕事を辞め、2年半前から夫の転勤でC市に住んでいる。夫は優しいが、仕事が忙しいため、Aは一人で家事や育児を行うことが多い。知り合いや友人も少なく、育児について気軽に相談できる相手がおらず、孤独感に陥るという。BはAに対し、地域の育児サロンなどに参加し、育児や自分の気持ちについて話すなど、子育て中の母親との交流を提案した。
BのAへの提案のねらいとして、最も適切なものを1つ選べ。
BのAへの提案のねらいとして、最も適切なものを1つ選べ。
- 感情制御
- グリーフケア
- 情緒的サポート
- セルフ・モニタリング
- ソーシャル・スキルズ・トレーニング<SST>
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この過去問の解説 (2件)
01
正答は3です。
1.感情制御とは、自己の感情をコントロールすることです。
感情制御は、「遅延可能」「制止、ルールへの従順」「フラストレーション耐性」「持続的対処・根気」などの次元に分けることができます。
Aの場合、自分の気持ちをサポーターに話すことで、情緒的サポートを受けることが必要ですので、感情を制御をするというよりも、感情を抑え込まずに語り、表現することが重要であると考えられます。
2.グリーフケアとは、喪失に対する悲嘆への心理的支援のことです。
家族(遺族)支援の一つです。
Aの現状には、あてはまりません。
3.情緒的サポートとは、心理面や情緒面からサポートを受けることです。
Aには、気持ちを聞いてもらったり、努力をねぎらってもらったりする経験が必要です。
Aが孤独にならないように、話や相談ができる場を、公認心理師が提案することは、適切な対応です。
4.セルフ・モニタリングは、M. Snyderが提唱した概念で、自分の行動や考え、感情を、自分自身で観察することをいいます。
自分自身の行動を維持したり変更したりする、セルフマネジメントにつながります。
Aは、自分がどのように孤独感に陥るかを、客観的に見ることができています。
そして、「育児について気軽に相談できる相手がいない」という自分の問題点を、モニタリングすることができています。
5.ソーシャル・スキルズ・トレーニング〈SST〉とは、社会生活の中のストレス回避や認知、行動様式(コーピング)を学んでいく認知行動療法のことです。
社会生活技能訓練ともいいます。
Aの場合、Aの認知や行動に問題があるのではなく、人間関係や社会的サポートなどの環境要因が、Aの孤独感につながっています。
したがって、交流の場を提案し、環境を調整していくことが適切と考えられます。
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02
正解は3です。
1.→✖
感情制御とは、感情を自身でコントロールすることです。
2.→✖
グリーフケアとは、喪失体験に対する心理的な支援のことです。
3.→〇
情緒的サポートとは、他者から得られる援助であるソーシャルサポートの1つです。情緒的サポートの例として励ましやなぐさめがあります。ソーシャルサポートは、情緒的サポートの他にも、道具的サポート(金銭や問題解決の手段の提供など)、情報的サポート(情報提供や助言)、評価的サポート(フィードバック)があります。
4.→✖
セルフモニタリングとは、自分の認知や感情、行動について観察し報告することで自身の認知や感情、行動の癖や特徴に目を向けることです。
5.
ソーシャル・スキルズ・トレーニング<SST>とは社会的スキルを獲得するための訓練のことです。で
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