公認心理師 過去問
第4回(2021年)
問62 (午前 問62)
問題文
22歳の男性A、大学4年生。公認心理師Bが所属する大学の学生相談室に来室した。Aは、6つの企業の就職面接に応募したが、全て不採用となり、就職活動を中断した。その後、就職の内定を得た友人が受講している授業に出席できなくなり、一人暮らしのアパートにひきこもり気味の生活になっている。Aは、「うまく寝付けなくなって、何事にもやる気が出ず、自分でも将来何がしたいのか分からなくなって絶望している」と訴えている。
BのAへの初期対応として、最も適切なものを1つ選べ。
BのAへの初期対応として、最も適切なものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 問62(午前 問62) (訂正依頼・報告はこちら)
22歳の男性A、大学4年生。公認心理師Bが所属する大学の学生相談室に来室した。Aは、6つの企業の就職面接に応募したが、全て不採用となり、就職活動を中断した。その後、就職の内定を得た友人が受講している授業に出席できなくなり、一人暮らしのアパートにひきこもり気味の生活になっている。Aは、「うまく寝付けなくなって、何事にもやる気が出ず、自分でも将来何がしたいのか分からなくなって絶望している」と訴えている。
BのAへの初期対応として、最も適切なものを1つ選べ。
BのAへの初期対応として、最も適切なものを1つ選べ。
- 就職活動を再開するよう励ます。
- 抑うつ状態のアセスメントを行う。
- 保護者に連絡して、Aへの支援を求める。
- 発達障害者のための就労支援施設を紹介する。
- 単位を取得するために、授業に出席することを勧める。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は2です。
1. Aの抑うつ状態が疑われるため、励ますことは適切な対応ではありません。
励ますと、意欲がない状態でがんばろうとすることにより、症状が悪化してしまう可能性があります。
2. 「うまく寝付けない」「やる気が出ず」「絶望している」という発言が認められることから、Aの抑うつ状態のアセスメントを行うことが最優先されます。
3. この時点では、Aのアセスメントができておらず、どのようにAを支援するかについて情報が不足しています。
まずはAのアセスメントが優先されます。
4. Aが発達障害者であるという記述はありません。
Aの様子からも発達障害者であるという断定はできません。
初期対応としては「寝付けない」「やる気が出ず」「絶望している」ことへの介入が必要です。
その後、Aを支援するうえで、発達障害についてのアセスメントを行う必要が出てくるかもしれませんが、現時点で、就労支援施設を紹介することは、適切ではありません。
5. Aには授業に出られない理由があり、それを問題として来談しています。現時点で、授業に出席することを勧めることは、適切ではありません。
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02
正解は2です。
不眠、気力の減退、無価値感などを抱えており、Aは抑うつ状態にあると思われます。抑うつ状態の症状として、他にも食欲の変化、疲労感、集中力や思考力の減退、決断力の低下、希死念慮などがあります。
1.→✖
うつ状態に人に励ましは厳禁とされています。
2.→〇
Aは抑うつ状態だと思われますので、アセスメントをし治療方法について検討しましょう。
3.→✖
保護者に連絡するにはAの許可が必要です。アセスメントした上でセラピストが保護者に支援をお願いする必要であれば、Aに許可をとりましょう。
4.→✖
発達障害が疑われる内容は明記されていません。
5.→✖
学校に来ることが困難な状態であるにもかかわらず、相談室に来たことをねぎらいましょう。
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03
この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。初回面接における視点、対応について問われています。
では、問題を見てみましょう。
初回評価において、絶望しているAに一番難しいことを助言することはありえませんので、間違いです。
治療過程が進み、Aの思考が変化した段階ではあり得るかもしれません。
正解です。
主訴から、明らかな抑うつ状態が疑われます。今後の治療指針を決めるためにも、詳細なアセスメントが一番最初に必要です。
本人の同意を得ずに、保護者に連絡をしなくてはならないかどうかの危機的判断がなされていません。
基本的は本人の同意のもと関係者に連絡をすることになっています。詳細な症状のアセスメント実施後に検討するべきことですので、間違いです。
問題文から、発達障害者であることを疑う要素は見当たりません。可能性があると感じるのであれば、まずはアセスメントが必要ですので、間違いです。
状態が悪化しているAに、本人が一番避けていることを勧める段階ではありませんので間違いです。
詳細なアセスメント、治療後に段階付けて提案する可能性はあります。
初期対応では、現状把握が基本です。命の危機など、緊急性が高い状態にあるかどうかの判断など現状の症状を整理し、今後の治療方針の方向性を提案し、クライエントの同意を得る必要があります。一般的な治療の流れについて、整理しておきましょう。
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