公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午前 問70
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午前 問70 (訂正依頼・報告はこちら)
製造業A社は、これまで正社員の大半が男性であった。ここ数年の労働力不足を背景に、様々な人材を登用する機会を模索している。女性の管理職の増加を目指したキャリアコンサルティングの実施、外国人社員に伴って来日した配偶者の採用に加え、社内に障害者支援委員会を設置して精神障害者の就労支援を行うなど、個々の違いを認め、尊重し、それらを組織の競争優位性に活かそうとする取組を行った。その取組をきっかけとして、女性社員、高齢者や国籍の異なる社員なども少しずつ増えて、今では属性の異なった人と協働する機会が増えている。
このA社の取組を全体的に表すものとして、最も適切なものを1つ選べ。
このA社の取組を全体的に表すものとして、最も適切なものを1つ選べ。
- コンプライアンス
- キャリアマネジメント
- ポジティブアクション
- アファーマティブアクション
- ダイバーシティマネジメント
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この過去問の解説 (2件)
01
選択肢①コンプライアンス(compliance)とは、「法令遵守」の意味です。
選択肢②キャリアマネジメントとは、将来のキャリアをどのように構築するかを計画し実行していくことを指しています。
これを支援することをキャリア支援と言います。
選択肢③ポジティブ・アクションとは、社会的・構造的な差別により不利益を被っている者に対して、一定の範囲で特別の機会を提供することなどにより、実質的な機会均等(実質的平等)を実現することを目的とする暫定的な措置のことをいいます。
例えば、男女共同参画事業はこのポジティブ・アクションの施策です。
選択肢④アファーマティブアクションとは、積極的差別是正措置のことをいいます。
ヨーロッパなどでは肯定的差別と呼ぶのが一般的です。
例えば、国会議員数の男女比率を50%に必ず設定する場合などです。
選択肢➄ダイバーシティマネジメントとは、人間のもつ多様性を活かして、事業の成長、組織の強化を図ろうとする施策のことです。
このダイバーシティには、年齢や性別、人種だけでなく、人々の価値観やスキル、働き方などの目に見えない性質も含まれます。
したがって、正答は選択肢➄です。
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02
ダイバーシティについての理解を問われている問題です。
コンプライアンスとは、「法令遵守」を意味します。
企業や組織が法律や社会規範などに適合し、倫理的な行動を実践することを指します。
具体的には、公正な取引や競争を行い、個人情報の保護、環境保全、健康安全管理など、法律や社会の倫理観に沿った業務を実践することが求められます。
キャリア・マネジメントとは、自己のスキルや能力を高め、自己実現やキャリアアップを目指すための計画的な取り組みを指します。
具体的には、自己分析や職務分析を行い、自分の強みや弱みを把握することから始まり、自己啓発や研修などを通じて自己成長を促し、自己の能力に合った適職を見つけ、長期的なキャリアアップを目指します。
ポジティブ・アクションとは、特定のグループに属する人々を積極的に支援し、差別や偏見をなくすための取り組みを指します。
具体的には、過去に差別や偏見の対象とされてきた人々(女性、LGBTQ、障がい者、少数派の民族など)に対して、採用や昇進、教育、研修などで優先的な支援を行うことで、そのグループの人々が社会的地位や権利を得ることを促し、多様性を尊重した社会を実現することを目指します。
ポジティブ・アクションは特に女性に対する積極的改善措置を指し、アファーマティブ・アクションとポジティブディスクリミネイション(肯定的差別)を組み合わせた和製英語です。
日本国憲法下では性別に基づいた具体的な数値目標を立てにくいことから、ポジティブ・アクションのように独自に発展していった背景を理解する必要があります。
アファーマティブアクションとは、積極的差別是正措置と訳されます。
過去に差別や偏見があった結果、特定のグループ(一般的には女性、有色人種、障がい者など)が不利益を被っている状況を改善するために行われる、肯定的措置のことを指します。
具体的には、就業機会や教育機会において、上記のグループに対して優遇措置を取ることがあります。
例えば、採用において特定のグループの候補者を積極的に募集したり、教育機会において特定のグループに対して補助金を提供するなどが挙げられます。
海外では会社役員を男女40%以上とするなど具体的な数値目標を掲げてアファーマティブ・アクションに取り組む例が多数存在します。
ダイバーシティマネジメントとは、企業や組織が多様性を尊重し、異なる人々の特性や文化、価値観などを認め、それを積極的に受け入れることで、組織内の多様性を活かし、組織力を高めるマネジメント手法です。
ダイバーシティとは、異なる性別・年齢・国籍・人種・障がい・性的指向・宗教など、多様な特性を持つ人々の存在や、その多様性を尊重する社会や組織の姿勢を指します。
ダイバーシティマネジメントは、従業員の多様性を積極的に受け入れ、それを生かして組織を運営し、多様な視点やアイデアを生み出すことで、企業の成長や社会貢献度を高めることを目的としています。
ダイバーシティは近年関心が高まっているジャンルです。
このような時事問題も一定数出題されるためブループリントで出題傾向を事前に把握しておきましょう。
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