公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問82
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問82 (訂正依頼・報告はこちら)
観察者の有無が作業に及ぼす影響をみる実験において、参加者を作業時に観察者がいる群といない群に分け、各群の参加者に単純課題条件と複雑課題条件の双方を課した。
この結果の分析方法として、最も適切なものを1つ選べ。
この結果の分析方法として、最も適切なものを1つ選べ。
- 2要因混合分散分析
- 2要因被験者間分散分析
- 2要因被験者内分散分析
- 複数個の1要因被験者間分散分析
- 複数個の対応のある平均値の t 検定
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この過去問の解説 (2件)
01
統計問題とは言っても、どの問題もそうなのですが、しっかり文意を読み取れるかということが大切ですね。
さて、この問題では、複数の要因からなる実験が2種類計画されていることが分かりますが、まずは、各計画の違いについて考慮しなければなりません。
一つ目の実験では、参加者を「観察者がいる群」と「いない群」に分ける、というわけですから、ここでは被験者間要因として分析されることになりますね。
一般的には、こうしたサンプル設定の事を「対応がない」という表現がされます。
統計学が苦手な私などは、被験者間要因と「対応がない」とがイコールであることになかなか気づけませんでしたが、両者は同じことですね。
二つ目の実験では、観察者が「いない群」に「単純課題」と「複雑課題」を課し、一方の観察者が「いる群」にも「単純課題」と「複雑課題」を課すわけですから、ここでは被験者内要因(同一人物が2つの実験に参加しているから)として分析されることになります。つまり、「対応がある」わけですね。
こうした実験計画から、何が作業に影響を及ぼしているか、すなわち「観察者がいない群・いる群」では効果に違いがあるのか(主効果は?)、「単純課題」「複雑効果」の条件は、「いない群」と「いる群」に対してどのように作用を及ぼしているか(交互作用の有無は?)、計算・分析していくことになりますね。
このような統計分析手法を、被験者間要因、被験者内要因双方のサンプルを扱っていることから混合分析といいます。
要因は「いない群」「いる群」と「単純課題」「複雑課題」の2×2のマトリックスを扱っているのですから、2要因混合分散分析ということができますね。
ですから、正解は選択肢①です。
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02
被験者に、観察者の存在の有無の条件下で単純課題条件と複雑課題条件を与えた実験を行いました。
この実験では、「2要因混合分散分析」という分析方法が最も適切です。
この方法は、作業条件と観察者の有無の2つの要因が実験の結果に与える影響を同時に分析できます。
被験者間要因と被験者内要因の両方が含まれるため、この実験に最も適した統計分析手法と言えます。
被験者間の差異を調べる場合に用いられますが、この実験では、被験者間の差異は考慮せず、作業条件と観察者の有無の影響を調べる必要があります。
同じ被験者に異なる条件を課す場合に用いられますが、この実験では、異なる被験者にそれぞれ異なる条件を課すため、被験者内分散分析を行うことはできません。
複数の独立した実験を分析する場合に用いられますが、この実験は1つの実験であり、作業条件と観察者の有無の両方を考慮する必要があるため、この方法は適切ではありません。
複数個の対応のある平均値のt検定は、2つの条件間の平均値の差を調べる場合に用いられますが、この実験では、2つの条件だけでなく、観察者の有無も考慮する必要があります。
以上から、この実験においては、2要因混合分散分析が最も適切な分析方法であり、被験者内要因と被験者間要因の両方を扱った混合分析が必要であることが分かります。
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