公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問90
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問90 (訂正依頼・報告はこちら)
親密な対人関係の説明原理として、最も適切なものを1つ選べ。
- 社会的絆理論
- 社会的学習理論
- 社会的交換理論
- 社会的比較理論
- 社会的アイデンティティ理論
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この過去問の解説 (2件)
01
選択肢① 「社会的絆理論」は、T.Hirschiが主張した逸脱理論です。
この理論は、社会的絆(ソーシャル・ボンド)の強さや種類(愛着、投資・関与、没頭・巻き込み、規範理念)が逸脱の出現を抑制している、というものです。
選択肢② 「社会的学習理論」は、モデリング理論とも呼ばれます。
提唱者のバンデューラ(Albert Bandura)は、この理論的背景を「人間の学習は、人間と社会との相互的制御関係のなかで行われる」と述べています。
選択肢➄「社会的アイデンティティ理論」は、自分がどんな社会集団に所属しているかという自己意識を形成し、所属集団の相対的な優劣が自分自身の優越感や劣等感につながるという視点から個人の行為を分析します。
したがって、親密な対人関係の説明原理として適切なのは選択肢③「社会的交換理論」となります。
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02
親密な対人関係について考える際には、成立過程や維持の仕方が重要なポイントとなります。
社会学や心理学など、様々な研究について知っておくことが必要です。
以下は親密な対人関係についての説明原理の選択肢です。
「社会的絆理論」は、T.Hirschiが主張した逸脱理論で、社会的絆(ソーシャル・ボンド)の強さや種類(愛着、投資・関与、没頭・巻き込み、規範理念)が逸脱の出現を抑制しているというものです。
ただし、これだけでは親密な対人関係全体を説明するには不十分です。
「社会的学習理論」は、モデリング理論とも呼ばれ、人々が社会的に定められた規範や役割、価値観を学び、それに則って行動することによって、親密な対人関係を形成するという考え方です。
提唱者のバンデューラ(Albert Bandura)は、「人間の学習は、人間と社会との相互的制御関係のなかで行われる」と述べています。
しかし、これだけでは親密な対人関係全体を説明するには不十分です。
社会的交換理論は、人々が自分自身の利益を最大化するために、相手との間で一定のバランスを保ちながら取引を行っているという考え方です。
親密な対人関係においても、相手に対して何らかの貢献を行うことで、自分自身も利益を得られるというバランスが成立しています。
これが親密な対人関係の形成に最も適切な原理とされます。
社会的比較理論は、人々が自己評価を行う際に、周囲の人々と比較しているという考え方です。
親密な対人関係においても、相手との比較を通じて、自己評価を行っているとされていますが、直接的には親密な対人関係の成立には関係していません。
社会的アイデンティティ理論は、人々が自分自身を定義する際に、自分が所属する社会集団のアイデンティティに基づいているという考え方です。
親密な対人関係においても、自分自身が所属する集団と相手が所属する集団との関係が、親密な対人関係の形成に影響を与えているとされています。
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