公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問94
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問94 (訂正依頼・報告はこちら)
G. Bateson の二重拘束理論に関連する概念として、最も適切なものを1つ選べ。
- 三角関係
- 両親連合
- 世代間境界
- ホメオスタシス
- メタ・コミュニケーション
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、ベイトソンのことを知っていれば、すぐに選択肢➄「メタ・コミュニケーション」を選ぶことができるでしょう。
しかし、選択肢を見ると、家族療法の起源から、多世代家族療法の理論的背景の理解が求められていて、例えば「ボーエンの多世代家族療法の理論的背景となるものとして誤りなのはどれ?」となると、正答率も変わったはずですね。
わたしには、第五回試験に「出すぞ、出すぞ」と言っているように思えます。
選択肢①「三角関係」とは、多世代家族療法における技法のジェノグラムでいうところの「三角関係」のことです。
決して、男女関係のもつれの用語ではありません。
3世代の家族の人間関係をジェノグラムで図化し、その中で、ある家族成員どうしの二者の関係が不安定になると、周囲の誰かを巻き込んで三角関係を形成しようとすることをいいます。
「三角関係化する」ともいいます。×です。
選択肢②「両親連合」は、家族療法で目指すべき関係です。×です。
選択肢③「世代間境界」とは、夫婦と子どもとの間に良い意味での無関心があることを指し、家族の解決システムにとって必要であるとされています。
選択肢④「ホメオスタシス」とは、家族ホメオスタシスのことを指していると考えられます。
家族内で何らかの変化が起こったとき、元の状態に戻そうとする傾向があることを指す言葉です。
×です。
選択肢➄「メタ・コミュニケーション」とは、言葉の背後にある非言語的なコミュニケーションのありようと言えばよいでしょうか。
この言葉を発想したのが、家族療法の理論的背景とされ、精神分裂症の患者の研究で知られるGregory Batesonのダブル・バインド(二重拘束)説です。
ダブル・バインド説とは、言語的なメッセージとそれとは相反する非言語的なメッセージが同時に与えられており、メッセージの受け手に混乱や葛藤を生じさせるとしている状態、すなわち、二重の拘束(命令)の状態をいい、ベイトソンは、この拘束状況を精神分裂病の要因として求めたわけです。
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02
ベイトソンのダブル・バインドに関する問題です。
ダブル・バインドを理解していれば答えを導くことができますね。
ベイトソンのダブル・バインド理論は、相反する指示を同時に出される状況が人を混乱させ、心理的な問題を引き起こすことがあるというものです。
一方、ジェノグラムは、家族関係を図式化するための手法であり、3世代の家族の人間関係を可視化することができます。
また、不安定な関係がある場合、周囲の人を巻き込んで三角関係を形成することがあります。
「両親連合」は、家族療法で、親同士が協力し、子供たちに対して一貫性のある指示を出すことを目指すべき関係です。
「世代間境界」とは、夫婦と子どもとの間に適切な距離感があることを指し、家族の解決システムにとって必要不可欠であるとされています。
ただし、この概念はG. Batesonの二重拘束理論に関連しているわけではありません。
「ホメオスタシス」とは、家族内で何らかの変化が起こったとき、元の状態に戻そうとする傾向があることを指す言葉です。
メタコミュニケーションとは、非言語的な表現方法を介してコミュニケーションを行うことです。
顔の表情、身振り手振り、声色などが含まれます。
この概念に基づいて、グレゴリー・ベイトソンはダブル・バインド(二重拘束)理論を提唱しました。
ダブル・バインドとは、言葉と非言葉の両方から相反するメッセージが同時に送られ、受け手に混乱や葛藤を引き起こす状況を指します。
ベイトソンは、ダブル・バインドが精神分裂病の原因となる可能性があると考えました。
設問の中には家族療法に関するものが複数ありますが、これらにはそれぞれ理論的背景があります。
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