公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問96
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問96 (訂正依頼・報告はこちら)
パーソナリティ障害に適用するため、認知行動療法を拡張し、そこにアタッチメント理論、ゲシュタルト療法、力動的アプローチなどを組み込んだ統合的な心理療法として、最も適切なものを1つ選べ。
- スキーマ療法
- 対人関係療法
- 動機づけ面接
- 問題解決療法
- アクセプタンス&コミットメント・セラピー<ACT>
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この過去問の解説 (2件)
01
選択肢①「スキーマ療法」とは、統合的な心理療法です。
設問の文章内容に該当します。
選択肢②「対人関係療法」とは、認知行動療法から発展したセラピーで、心理的問題は意思疎通の問題と捉え、自己の停滞している社会的役割を回復していくことを目指します。
×です。
選択肢③「動機づけ面接」とは、クライエントの変わりたいという欲求、desire、可能性ability、その理由reason、変わりたいneeds、そして具体的なその後の行動comittmentを尊重し、クライエントの自己効力感(セルフエフィカシー)を高めることから、Darn-cの原則とよばれています。
×です。
選択肢④「問題解決療法」とは、認知行動療法の一つの技法で、思考の癖の発見から、実行可能な改善策を導き出していくというセラピーです。
選択肢➄「アクセプタンス&コミットメント・セラピー<ACT>」とは、関係フレーム理論や瞑想(マインドフルネス)の考え方をベースに「心理的柔軟性」を生み出すことで「心の健康」を維持・回復させる療法です。
×です。
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02
パーソナリティ障害は、人間関係や自己イメージに関する深刻な問題を抱え、日常生活に支障をきたす障害です。
認知行動療法は、パーソナリティ障害の治療に効果的であることが知られていますが、その治療効果には限界があります。
そこで、アタッチメント理論やゲシュタルト療法、力動的アプローチなどを組み合わせた統合的な心理療法が必要とされています。
本稿では、パーソナリティ障害に適用する心理療法について解説します。
スキーマ療法は、パーソナリティ障害の治療に効果的な心理療法の1つです。
スキーマ療法は、過去のトラウマや経験、信念などが形成する「スキーマ」という概念に着目し、それを改善することで、パーソナリティ障害の治療を行います。
スキーマ療法は、認知行動療法と統合的に行われることが多く、認知行動療法の限界を補完するものとして注目されています。
対人関係療法は、人間関係において問題を抱える患者さんに対して、症状と対人関係問題の関連を理解し、対人関係問題に対処する方法を見つけさせることにより治療すること目的としています。
サリヴァンらの対人関係学派がその源流となっています。
動機づけ面接は、患者さんのモチベーションを高めることで、治療に積極的に取り組んでもらうことを目的としています。
動機づけ面接は、患者さんとの信頼関係を築くことが重要であり、その信頼関係をもとに、パーソナリティ障害の治療を進めていくことができます。
アルコール依存症の方の治療として発展していき特定の流派から派生して行ったものではなく、コミュニケーションの技法の一つであると言えるでしょう。
問題解決療法は、患者さんが抱える問題を明確化し、その問題を解決するための具体的な方法を見つけることを目的としています。
問題解決療法は、課題解決スキルの向上によって、パーソナリティ障害の治療に役立っています。
第2世代の認知行動療法で行動療法以外の他の理論を取り込んだものではありません。
ACTは、患者さんが抱える苦痛やストレスに対して、アクセプタンス(受容)することで、自己成長や変化を促すことを目的としています。ACTは、認知行動療法と同様に、パーソナリティ障害の治療に効果的な心理療法の1つです。
そのバックグラウンドとして禅などの東洋思想を取り込んだと言われています。
様々な心理療法がありますが、成立するバックグラウンドについてよく知っておくことでより理解が深まります。
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