公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問97
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問97 (訂正依頼・報告はこちら)
心理療法における効果検証に用いられる方法として、最も適切なものを1つ選べ。
- 主成分分析
- クラスター分析
- ランダム化比較試験
- コレスポンデンス分析
- 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ
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この過去問の解説 (2件)
01
選択肢①「主成分分析」とは、例えば100以上のたくさんの変数を少ない別の変数に置き換え縮約することで、データを理解しやすくする分析手法です。
実際の主成分分析では、データを1〜3つの変数(=主成分)に置き換わるのが一般的です。
統計ソフトでは、主成分行列が表示されると「〇〇個の成分が抽出されました」と表示されると同時に、〇個それぞれの主成分の主成分得点(標準化得点)が得られることになります。
さらに、なぜ1~3の変数に収まるのかと申しますと、各主成分の重みが異なるからで、統計ソフトでは、パーセンテージでこれを示してくれます。
また、右肩下がりの直線で可視化されてるスクリープロットをでも確認することができます。
そして、分析者が、主成分行列を見ながら、とりわけ各数値の断絶具合を見て、成分ごとの名前をつけるわけです。
ここが分析者の腕のどころです。試験でも出題されるかもしれませんよ。
選択肢②「クラスター分析」とは、似たもの同士をグループ分けして、さらに、どのグループとどのグループが近いかも明らかにできる分析手法です。
クラスター分析では、トーナメント表のようなデンドログラムから分析します。
このデンドログラムを作成するためには、各変数間の差である「ユークリッドの距離」をすべての変数間で求め、その距離の近いものからグルーピングしていくという手続きをとります。
多変量解析という位置づけですが、問題によっては手計算でできるので、出題されてもおかしくありませんね。
選択肢③心理療法における効果検証に用いられる方法として選択肢の中ではこれしかありませんね。
選択肢④「コレスポンデンス分析」とは、クロス集計表のデータを多次元的に分析する方法です。
選択肢➄「修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ」(GTA)とは、社会学者グレイザーとストラウスが1960年代に提唱した質的データ分析の指針の修正版です。
「修正版」というのは、実はこの二人が理論対立したこともあって、それぞれの知見を基にしたアプローチであると捉えたらよいでしょう。
GTAでは、分析手法として、①データの収集(プリコーディング、アフターコーディング)、②オープンコーディング ③軸足コーディング、④選択的コーディング、➄理論の完成(理論的飽和)というプロセスを経ることが言われています。
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02
心理療法において、治療の効果を検証することは非常に重要です。そのためには、正確かつ信頼性の高い方法を用いる必要があります。
主成分分析は、データの多次元性を簡素化する方法であるため、心理療法における効果検証には適していません。
クラスター分析は、類似したデータをグループ化する方法であり、心理療法における効果検証には適していません。
ランダム化比較試験は、治療と対照群を比較することで、治療の効果を検証する方法です。ランダム化された被験者を治療群と対照群に分け、治療群には治療を、対照群には偽治療や何も行わない条件を与えます。
その後、両群を比較することで治療の効果を検証します。ランダム化比較試験は、心理療法における効果検証に最も適している方法です。
コレスポンデンス分析は、2つの変数の間の関係を調べる方法であり、心理療法における効果検証には適していません。
修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチは、質的データを分析する方法であり、心理療法における効果検証には適していません。
心理療法における効果検証には、ランダム化比較試験が最も適しています。他の方法に比べ、正確かつ信頼性の高い効果検証が可能です。
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