公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問100

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問題

公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問100 (訂正依頼・報告はこちら)

情状鑑定に関する説明として、最も適切なものを1つ選べ。
  • 簡易鑑定として実施される。
  • 行動制御能力の有無や程度を評価する。
  • 理非善悪の弁識能力の有無や程度を評価する。
  • 量刑判断を行う上で考慮すべき事項について評価する。
  • 裁判所から依頼されることはなく、被告人の弁護人からの依頼による私的鑑定として実施される。

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この過去問の解説 (2件)

01

選択肢①「簡易鑑定」は、検察官がその判断をします。

関係医師は刑事事件の被疑者を診察し精神状態について意見を述べます。

一方の「情状鑑定」は、動機や原因がはっきりしない事件で採用されるケースで、臨床心理士や精神科医ら専門家が、被告の性格や知能から生い立ち、家族関係まで犯行に影響したとみられる要素を分析することを目的としていますから×です。

選択肢②「行動制御能力の有無や程度を評価する。」ことは、情状鑑定では行いません。

事理弁識能力+行動制御能力刑事・責任能力は、起訴前本鑑定などで評価します。

×です。

選択肢③「理非善悪の弁識能力の有無や程度を評価する。」ことは、上記同様、情状鑑定では行いません。

事理弁識能力+行動制御能力刑事・責任能力は、起訴前本鑑定などで評価します。

×です。

選択肢④「量刑判断を行う上で考慮すべき事項について評価する。」ことは情状鑑定の範囲内です。

犯罪事実は争わないけれども、動機や原因がはっきりしない事件で採用されるケースが多いのが情状鑑定です。

また、心理師との面談において、自分の過去を振り返り、きちんと考える、その上で質問に回答するということに慣れていくことで、法廷での被告人質問、最終意見陳述では、自分の言葉で被害者に謝罪の意を示すことができるようになることも期待されています。

〇です。

選択肢➄「裁判所から依頼されることはなく、被告人の弁護人からの依頼による私的鑑定として実施される。」のではなく、一般的には、弁護人から裁判所への請求により、「情状鑑定」は行われます。

私的なものではありません。×です。

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02

情状鑑定は刑事裁判において、被告人が犯罪を犯した背景や状況を評価するために行われる鑑定です。動機やケースの背景がはっきりしないときに行われます。

選択肢1. 簡易鑑定として実施される。

簡易鑑定は、被告人の心身の状態を簡単に評価するものであり、もっとも基本的なものです。検察官が実施します。

選択肢2. 行動制御能力の有無や程度を評価する。

行動制御能力とは、自分の感情や衝動に支配されず、適切な行動を取る能力のことを指します(刑事責任能力)。起訴前本鑑定などで被告人が犯罪を犯した当時において、この能力がどの程度あったかを評価します。

選択肢3. 理非善悪の弁識能力の有無や程度を評価する。

情状鑑定では評価されません。起訴前本鑑定などで被告人が犯罪を犯した当時において、この能力がどの程度あったかを評価します。

選択肢4. 量刑判断を行う上で考慮すべき事項について評価する。

情状鑑定では、被告人が犯罪を犯した背景や状況を評価し、その結果を基に量刑判断を行う上で考慮すべき事項について評価します。

選択肢5. 裁判所から依頼されることはなく、被告人の弁護人からの依頼による私的鑑定として実施される。

弁護人から裁判所への請求により情状鑑定は行われます。

まとめ

情状鑑定は、被告人の心身の状態や行動制御能力、理非善悪の弁識能力、犯罪を犯した背景や状況などを評価し、量刑判断に考慮すべき事項を評価するために行われます。

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