公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問102
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問102 (訂正依頼・報告はこちら)
動機づけ理論の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
- D. C. McClelland の目標達成理論では、課題への不安や恐怖を示す回避動機によって動機づけが低下すると考える。
- E. A. Locke の目標設定理論では、難易度の低い目標を設定した方が動機づけが高まり、業績の向上につながると考える。
- E. L. Deci の認知的評価理論では、金銭などの外的報酬により、内発的動機づけが高まると考える。
- F. Herzberg の2要因理論では、会社の衛生要因を改善しても動機づけは高まらないと考える。
- V. H. Vroom の期待理論では、管理監督者の期待が高いほど、労働者の動機づけが高まると考える。
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この過去問の解説 (2件)
01
選択肢①McClleland,D.C マクレランドの目標達成理論とは、人は賃金への欲求以外に、親和欲求、支配欲求、達成欲求という3つの欲求によって仕事に動機づけられるとする理論です。
本理論は仕事を動機づけのプラスαについて検証したわけですから選択肢にある「動機づけが低下する」は×ですね。
選択肢②×です。
選択肢③E.L.Deciエドワード・デシの認知的評価理論は、外発的報酬が、認知的評価に変化をもたらし、内発的動機づけに影響を与えるという説です。
アンダーマイニング効果として知られていますね。
選択肢④ハーズバーグは設問の通り「会社の衛生要因を改善しても動機づけは高まらないと考え」ました。
選択肢➄V.Vroomブルームの期待理論は、「管理監督者の期待が高いほど、労働者の動機づけが高まる」ということは言っていません。
×です。
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02
正解は4です
1.→✖
人は働くときに、金銭などの外的報酬のためだけに働いているのではなく、親和動機(良好な人間関係を築きたい)、支配動機(他者に影響を及ぼしたい)、達成動機(成功したい)が影響しているとマクレランドは考えました。達成動機の強い人は、自分の努力で失敗成功が決まる課題を好むとされています。よって、回避動機が動機づけに低下するというのは適切ではありません。
2.→✖
目標が明確であれば、達成までの道筋を立てたり、方法を工夫したりすることができます。しかし、曖昧な目標や簡単な目標は動機づけを高めることが難しいとされています。よって、「明確で困難な目標」が動機づけが高まると主張されています。
3.→✖
内発的動機付けから発生する行動に対して、外的報酬を与えると内発的動機づけは低下することがデシらによって指摘されています。これをアンダーマイニング効果といいます。
4.→〇
衛生要因(給料、環境)が満たされなければ不満足が生じますが、動機づけ要因(達成感や自己決定)が満たされるとさらに動機づけが高まるとハーズバーグは明らかにしました。
5.→✖
ヴルームは、行動への動機づけは行動がある結果をもたらす主観的確率(期待)と結果の価値の積の和であるとしました。管理監督者の期待が高さと労働者の動機づけの関係については述べられていません。
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