公認心理師の過去問
第4回(2021年)
午後 問111
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問題
公認心理師試験 第4回(2021年) 午後 問111 (訂正依頼・報告はこちら)
認知的不協和が関わる現象として、不適切なものを1つ選べ。
- 顕示的消費
- 禁煙の困難さ
- 説得や依頼における段階的要請
- 入会におけるイニシエーション
- 既に購入した製品のパンフレットや広告の閲読
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この過去問の解説 (2件)
01
選択肢①「見せびらかすための消費」も「顕示的消費」の一つです。
つまり、こうした行為は不快感や葛藤の低減というフェスティンガーの認知的不協和とは一線を画すものであることがわかりますね。
×です。
選択肢②「禁煙の困難さ」は、「健康に悪いのがわかっているけれど、なかなかやめられない」という状態が、心理的な辛さや葛藤を生じさせる一方で、「タバコはストレス解消になる。だからやめない」と認知を変化させるところにあります。
つまり、心理的な不快感を低減することで禁煙できない状況に陥っている、まさに認知的不協和の罠ですね。
〇です。
選択肢③「説得や依頼における段階的要請」としては、「フットインザドアテクニック」が知られています。
最初に小さな要請を聞いてもらえたなら、次の大きい要請も聞いてもらいやすくなるということです。
違う言い方をすれば、他者から親切に働きかけられると、何かお返しをしなければならないという葛藤が生じるということになりますね。
これも認知的不協和ですから〇です。
選択肢④「入会におけるイニシエーション」も認知的不協和の代表例です。
「入会儀礼」まで感じる、グループのメンバーになるための長い時間と不安が多ければ多いほど、「グループに加われたありがたみ」やグループへの忠誠心に変わるということです。
〇です。
選択肢➄「既に購入した製品のパンフレットや広告の閲読」するのは、多くの人が欲しがるほどの人気商品だったと腑に落ちることにより、一安心するためですね。
これも、不安や葛藤を軽減するために自らの認知を変えようとする現象ですから認知的不協和と言えます。
〇です。
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02
認知的不協和とは、自分の信念や価値観と矛盾する情報や状況に直面した際に、心理的な不快感やストレスを感じる現象のことです。童話の酸っぱい葡萄が有名ですね。
顕示的消費とは、商品やサービスを購入したことを周囲にアピールするために、高額な商品を購入したり、ブランド品を身に着けるなどの消費行動のことを指します。認知的不協和とは関連がありません。
「禁煙の困難さ」は、本来やめたいと思っているのに、周囲の影響や自分自身の依存性などで禁煙が難しいと感じる現象です。典型的な認知的不協和とされています。「タバコを吸っていても長生きな人がいる」、「事故で短命でなくなる人もいる」という認知は典型的な認知的不協和です。
段階的要請で有名なのがフット・イン・ザ・ドアのテクニックです。「ティッシュを貰ったから」、「わざわざ来てくれたのに申し訳ない」という不協和を解消するため消費者は購入してしまいます。
「入会におけるイニシエーション」は、グループに入るために、一定の条件をクリアする必要がある場合に、その条件をクリアすることで自分がグループにふさわしいと感じる現象です。入社式や歓迎会などの儀礼はギャップを解消するものとされます。
「既に購入した製品のパンフレットや広告の閲読」は、購入した商品についての情報を得たり、アップグレードの情報を得るために広告を見るという行動と考えられます。自身の購入したものに間違いはなかったという確認行動であるという点で認知的不協和と関連があります。
社会心理学の問題は毎年一定以上出題されます。内容をよく理解しておきましょう。
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