公認心理師の過去問 第4回(2021年) 午後 問112
この過去問の解説 (2件)
基本味とは、他のどの味を組み合わせても同じようなものを作り出せない独立した味のことをいいます。
この基本味には、5種類、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味があります。
辛みは違うの?と疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。
しかし、辛みは、痛み、つまり強い触覚刺激と食材の味が複合して感じられていることから、独立した味ではないのです。
したがって、基本味に含まれないのは選択肢②の辛味ということになります。
さて、味覚について、もう少し深堀してみましょう。
まずは、それぞれの味を人間が受容できることの意味についてです。
「甘味」を感じさせてくれる成分は糖類ですが、私たちにとって、糖類は生きる上でのエネルギー源であり、なくてはならないものです。
これが体内に入ったか入っていないかが感じられないと困りますよね。
「酸味」は、腐っている食べ物を体内に入れないようにするためにも、これを受容できないと困りますね。
「塩味」は、塩化ナトリウムから得られる味のことです。
塩化ナトリウムは、体内で塩化物イオンとナトリウムイオンに分かれ、消化を助けたり、栄養を吸収するために重要な役割を果たしたり、さらにはマイナスイオンとして細胞レベルで、なくてはならない物質の1つですね。
「苦み」は、毒を体内に入れないために無くてはならない感覚の1つですね。
ちなみに、デナトニウムという物質、これは地球上でもっとも苦いといわれていますが、この物質がおもちゃに微量とはいえ塗布されているといいます。子供がおもちゃを誤飲しないために……あっ、これは試験には出ませんが。
「旨味」は、ちょっと本当に独立した味なのだろうか思いがちですが、最近、「うまみ成分」という言葉を聞きませんか?
この旨味成分には、グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸などがあり、特にグルタミン酸はうま味調味料として広く使われていますね。
このうま味を受容できることにより、私たちの食欲が増すわけです。
これららことから、基本味が味覚としてとらえられていることの意味が少しだけ理解できたのではないでしょうか。
味覚といえば味蕾(舌のぷつぷつした突起)について言及しておかなければならないでしょう。
活動電位を発生させる神経細胞様の性質を持つという、この味蕾が、舌上の3種類の乳頭(茸状乳頭・有郭乳頭・葉状乳頭)に分布していることと、各乳頭の位置について、要チェックだと思います。
また、味覚は臭覚と統合された感覚器であることあるも理解しておくべでしょう。
つまり、正確に言えば、味覚は、喉の奥から鼻に抜けるにおいによって左右されるということです。
この種のにおいは「レトロネイザル」と呼ばれています。
食べ物の80%近くがこのレトロネイザルの臭いで決まるそうですよ。
最後になりますが、味にも対比効果があること(異なる味を組み合わせることでどちらか一方、もしくは両方の味を強く感じさせること。例えば、スイカに塩をかける等)もおさえておきましょう。
味覚を感じるのは、舌や口の中に存在する味覚を感じる器官の味蕾(みらい)があるからです。
味蕾は、舌の上にある小さな盛り上がりで、肉眼では見えません。
一般的には、1つの味蕾には、複数の細胞が含まれ、その中には味覚受容体と呼ばれるタンパク質が存在しています。
味覚受容体は、舌に入った食物や液体に含まれる物質に反応し、味覚を感じる神経に信号を送ります。
味覚の基本味に含まれるので誤りです。
辛味は、一般的には味覚の基本味(5種類、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)には含まれません。
これは、味覚というのは人間の感覚の一つであり、辛味は別の感覚である「痛覚」と関係が深いためです。
辛味は、唐辛子などに含まれる「カプサイシン」という物質が、体内に入ると痛みを感じる神経を刺激することによって感じられます。
この刺激は、味蕾ではなく、皮膚や粘膜の神経に直接作用するため、味覚の基本味に含まれるわけではありません。
味覚の基本味に含まれるので誤りです。
味覚の基本味に含まれるので誤りです。
味覚の基本味に含まれるので誤りです。
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