公認心理師の過去問 第4回(2021年) 午後 問120
この過去問の解説 (2件)
刑法で、善悪を判断して行動することが全くできない(心神喪失)状態にある者の行為は罰することができない、また、善悪の判断が著しく低下している(心神耗弱)状態にある者の行為は刑を減軽することとなっています。
その対象者に適切な医療を提供し、社会復帰をするための環境調整をすることを目的としているのが、「医療観察法」です。
通院による医療の決定を受けた人及び退院を許可された人については、原則として3年間指定通院医療機関による医療を受けますが、裁判所の決定により最長2年延長できるため、合わせて最長5年となります。
よって本選択肢は、正しいです。
社会復帰調整官は、保護観察所に勤務し、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識に基づき、保護観察者の社会復帰を促進するための業務に従事する人です。
よって本選択肢は、正しいです。
社会復帰調整官は、保護観察者の社会復帰を促進するため、生活環境の調査、生活環境の調整、精神保健観察等の業務を行います。
よって本選択肢は、正しいです。
入院施設からの退院は、裁判所が決定します。よって、本選択肢は誤りです。
医療観察法で定められている重大な他害行為とは、殺人、放火、強盗、強制性交、強制わいせつ、傷害です。
よって、本選択肢は正しいです。
厚生労働省の定義によると、「心神喪失状態とは、現実感覚や自我意識が消失し、周囲の刺激に対する適切な反応ができなくなる精神状態を指します。具体的には、深い昏睡状態や意識不明、うつ病の深刻な症状である重度の無気力や自殺念慮、急性ストレス障害の場合の昏迷や解離症状などが含まれる」とされています。
よって同省では医療観察法として、その対象者に適切な医療を提供し、社会復帰するための調整を目標としています。
正しいです。
医療観察法による通院期間は、症状の回復や更生のために必要な期間だけ継続されます。
通常は1年から5年程度で、必要に応じて延長されることがあります。
ただし、治療が完了した場合や、状態が改善して通院が不要となった場合には、早期に通院期間が終了することもあります。
正しいです。
法務省によれば、社会復帰調整官は、「保護観察所に勤務し、精神障害者の保健及び福祉等に関する専門的知識に基づき、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った人の社会復帰を促進するため、生活環境の調査、生活環境の調整、精神保健観察等の業務に従事します」と説明されています。
正しい。
対象者が精神保健観察を受ける場合には、精神保健福祉施設での入院や通院が必要であり、専門の医療スタッフが治療やケアを行います。
その上で、社会復帰調整官は、精神保健福祉センターなどに所属する専門職で、精神保健観察受け入れ施設と連携し、患者の社会復帰を支援する役割を担います。
誤り。精神保健観察は、法律上、裁判所が決定します。
申立ては、本人、家族、保健医療機関などが行えますが、裁判所が判断し、必要に応じて精神鑑定を実施したうえで、精神保健観察を決定します。
また、精神保健観察の解除も裁判所が判断します。
正しい。
日本の刑法では医療観察法により、心神喪失状態で犯罪を犯した場合には、刑罰の免除または減軽が認められます。
同法において医療保護が必要な「他害行為」とは、犯罪行為を行うおそれのある精神疾患のある人物を、犯罪行為を行わないように治療することを目的として、医療観察を行うことを指します。
他害行為には、殺人、傷害、暴力行為、放火、性的犯罪などが含まれます。
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